カド番という言葉は相撲でよく耳にするかと思います。
何やら切羽詰まった状況であることは感じても、相撲に詳しくない方は意味や由来はよくわからないかもしれません。
また、カド番を迎えた力士がどういう成績を残したのかも気になります。
今回は、相撲のカド番の意味と由来、カド番大関が千秋楽を7勝7敗で迎えた時の勝率はどれくらいで優勝力士はいるのかなどを見ていきます。
相撲のカド番の意味
相撲のカド番とは大関にのみ使われる言葉で、その場所で負け越した場合に大関から陥落する状況を意味します。
大相撲では横綱と大関以外は本場所で負け越した場合は次の場所は番付が下がりますが、大関は本場所で2場所続けて負け越した場合(休場含む)に関脇に陥落する規定になっています。
したがって、大関にとっては負け越した次の場所がカド番の場所となります。
カド番場所の大関が勝ち越せば大関の地位に留まることができ、負け越せば次の場所は関脇に陥落となります。
漢字では「角番」と書きますが、読み間違えを防ぐために「カド番」、あるいは「かど番」とかな字で表記されることが多いです。
カド番は相撲以外にも囲碁や将棋のタイトル戦でも使われ、タイトル保持者が次の対局で負けた場合にその地位を失う時に使われます。
いずれにしてもせっかく手に入れた地位を維持できるかどうかの瀬戸際の状況ですから、まさに「剣ヶ峰」の立場にあるといえます。
相撲のカド番の由来
続いて、相撲のカド番の由来についてですが、これには諸説あって断定できないようです。
相撲のカド番の由来は、
・”角”は鋭く曲がるので、勝負においてもターニングポイントになるという由来
・次の場所で負け越すと陥落する大関のしこ名を番付の角に表記したことが由来
が有力です。
また、角番という言葉自体も、相撲より囲碁・将棋のほうで早くから使われています。
時期的には囲碁・将棋では1940年代頃から、一方相撲は1960年代頃からで、「広辞苑」でも同様に相撲の角番は後から遅れて記載された経緯があります。
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相撲のカド番~千秋楽を7勝7敗で迎えた大関の勝率
カド番はカド番でもカド番大関が千秋楽を7勝7敗で迎えた時の心境は察するに余りあるものがあります。
千秋楽の一番は、勝てば天国、負ければ地獄ともいえるような鬼勝負となりますが、この大一番における勝率はどうでしょうか?
カド番大関が千秋楽を7勝7敗で迎えたことは、現行の制度となった1969年7月以降13回ありますが、負けたのは2019年(平成31年)3月場所の栃ノ心のみで、勝率はなんと9割2分3厘となっています。
驚くべき勝率ですが、13回中10回が平成時代というのも特筆すべき点です。
千秋楽を7勝7敗で迎えたカド番大関と勝敗は、以下の通りです。
千秋楽を7勝7敗で迎えたカド番大関と勝敗
大麒麟:1974年(昭和49年)9月場所 ○
三重ノ海:1977年(昭和52年)7月場所 ○
朝潮:1988年(昭和63年)7月場所 ○
出島:2001年(平成13年)3月場所 ○
武双山:2003年(平成15年)5月場所 ○
魁皇:2006年(平成18年)3月場所 ○
千代大海:2009年(平成21年)5月場所 ○
琴欧洲:2013年(平成25年)5月場所 ○
豪栄道:2015年(平成27年)1月場所 ○
琴奨菊:2015年(平成27年)7月場所 ○
豪栄道:2015年(平成27年)11月場所 ○
照ノ富士:2016年(平成28年)7月場所 ○
栃ノ心:2019年(平成31年)3月場所 ●
相撲のカド番での優勝力士
カド番は大関にとっては、大ピンチの場所ですが、カド番場所での優勝はあるのでしょうか?
とりあえずは勝ち越しでホッとするところですが、この逆境を跳ね返した力士は過去8人もいます。
千秋楽を7勝7敗で迎えたカド番大関もそうですが、8人中7人が平成時代に集中しています。
相撲のカド番での優勝力士は、以下の通りです。
大相撲のカド番での優勝力士
貴ノ花(初代):1975年(昭和50年)9月場所 ⇒ 12勝3敗
小錦:1989年(平成元年)11月場所 ⇒ 14勝1敗
貴ノ花(二代目):1994年(平成6年)1月場所 ⇒ 14勝1敗
魁皇:2001年(平成13年)7月場所 ⇒ 13勝2敗
千代大海:2003年(平成15年)3月場所 ⇒ 12勝3敗
栃東:2006年(平成18年)1月場所 ⇒ 14勝1敗
琴欧洲:2008年(平成20年)5月場所 ⇒ 14勝1敗
豪栄道:2016年(平成28年)9月場所 ⇒ 15戦全勝
相撲のカド番の意味と由来~まとめ
今回は、相撲のカド番の意味と由来、カド番大関が千秋楽を7勝7敗で迎えた時の勝率はどれくらいで優勝力士はいるのかなどを見てきました。
相撲のカド番とは大関にのみ使われる言葉で、その場所で負け越した場合に大関から陥落する状況を意味し、由来は諸説ありはっきりしません。
また、千秋楽を7勝7敗で迎えたカド番大関は13戦12勝で勝率はなんと9割2分3厘、カド番大関の優勝は過去8人います。
ケガの影響もありカド番に追い込まれる大関は平成以降は増加傾向にあります。
カド番は注目され話題にはなりますが、大関にとっては多難な時代になったといえるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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