大相撲では休場する力士が出ると、出場する力士数が奇数になってしまうことがあります。
普通に考えると、こんな場合は取組が組めずに対戦相手がいない力士が出てしまうことになります。
また、休場する力士の相手の力士は不戦勝となりますが、この場合、懸賞金はどうなるのでしょうか?
戦わずして白星が増え、懸賞金までもらえるとなると、こんなおいしい話はないように思います。
今回は、大相撲の休場で力士が奇数になってしまった場合の取組はどうなるのか、また不戦勝で懸賞金はどうなるのか、などを見ていきたいと思います。
相撲の休場で力士が奇数の場合の取組
大相撲の取組は15日間、前もって決まっているわけではなく、前日か2日前の取組編成会議で審判部によって決定されます。
この取組編成会議で取組が決まった後に休場届が提出された場合は休場扱いとなり、取組の決まった力士はそれぞれ不戦勝・不戦敗となります。
しかし、取組編成会議を開く前の段階で出場力士が奇数の場合は当然、休場する力士を除いて取組を決めることになります。
大相撲の取り組みの決め方については、こちらの記事をご参照下さい↓
幕内で出場力士が奇数になった場合、取組は横綱から決めていくので、幕内で対戦相手のいない力士は十両の上位力士との取組となります。
同じように、十両の出場力士が奇数になった場合には、十両で対戦相手のいない力士は幕下の上位力士との取組となります。
このように出場力士が奇数になった場合には、幕内なら十両から、十両なら幕下から、幕下なら三段目からというようにどんどん下位力士を繰り上げて取組が組まれていきます。
また、幕下以下は1場所7番の取組で基本的に同じ勝敗の力士と対戦しますが、必ずしも同じ勝敗の力士がいるとは限りませんし、休場する力士が出れば取組がない力士が出てきてしまいます。
そんな場合には1日おきではなく、2日、場合によっては3日連続で相撲を取って帳尻を合わせています。
千秋楽などにどうしても穴埋めがきかない場合には、幕下の力士に8戦目の取組を組んで調整することもあり、これは「8番相撲」と呼ばれます。
相撲の休場~不戦勝で懸賞金はどうなる?
大相撲の休場で力士が奇数になってしまった場合の取組についてはわかりました。
では、休場届が取組編成会議に間に合わず不戦勝になった場合、懸けられている懸賞金の扱いはどうなるのでしょうか?
結論から先に言うと、不戦勝の力士は懸賞金を受け取ることはできません。
戦わずして白星がついた上に懸賞金までもらえるなどというおいしい話はなく、不戦勝になった力士は土俵で行司から勝ち名乗りを受けておしまいです。
また、すでに懸けられていた懸賞金に関しては取り消すか、あるいは同じ日の別の取組に替えるかのどちらかを懸賞金を出した企業側が決めることになります。
相撲で休場(不戦敗)しても優勝した力士
最後に、大相撲で休場しても優勝した力士、つまり不戦敗があるにもかかわらず優勝した力士を見ていきましょう。
まさかそんな力士がいるのかと思いましたが、調べてみると大相撲で休場(不戦敗)しても優勝した力士はこれまでに2人います。
休場しても優勝した力士は輪島と千代の富士の2人で、ともに横綱時代に各1回ずつ記録しています。
詳しくは、以下の通りです。
大相撲で休場(不戦敗)しても優勝した力士
輪島
1973年(昭和48年)11月場所
成績:12勝2敗1休
13日目に優勝が決まり右手のケガのため14日目に不戦敗、千秋楽は休場
千代の富士
1989年(平成元年)3月場所
成績:14勝1敗
14日目に優勝を決めたものの左肩を脱臼し千秋楽は不戦敗
両横綱とも千秋楽は表彰式のみ土俵に上がり天皇賜杯を受け取りました。
※2023年1月17日時点の情報です。
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相撲の休場で力士が奇数の場合~まとめ
今回は、大相撲の休場で力士が奇数になってしまった場合の取組はどうなるのか、また不戦勝で懸賞金はどうなるのか、などを見てきました。
大相撲の休場で力士が奇数になってしまった場合の取組は、幕内なら十両から、十両なら幕下から、幕下なら三段目からというようにどんどん下位力士を繰り上げて取組が組まれます。
また不戦勝の場合は力士は懸賞金はもらえず、すでに懸けられていた懸賞金に関しては取り消すか、あるいは同じ日の別の取組に替えるかのどちらかを懸賞金を出した企業側が決めます。
なお、これまでの大相撲で休場(不戦敗)しても優勝した力士は、輪島と千代の富士の2人だけです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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