毎年、歳の瀬の年末に開催されている大学女子駅伝のビッグイベントが富士山女子駅伝です。
まだ歴史は浅いですが、大学女子駅伝の日本一を決める大会ということで年末の風物詩としてすでに定着しています。
出場資格やコースは大学女子駅伝の日本一を決める大会にふさわしいものですが、歴代優勝校を見ると大変意外な傾向が見られています。
特にコースは高低差など、他の女子駅伝には類を見ない大変厳しく過酷なコースとなっているようです。
今回は、富士山女子駅伝の歴史と歴代優勝校、出場資格、コースとその高低差などについて見ていきます。
富士山女子駅伝の歴史
まずは富士山女子駅伝の歴史から見ていきましょう。
富士山女子駅伝は2004年2月15日に大会名称を全日本大学女子選抜駅伝として始まりましたが、駅伝大会の中では歴史の浅い大会です。
2010~2012年までは未開催だったものの2013年から大会名称が現在の富士山女子駅伝に変わり、開催コースも静岡県に移して生まれ変わりました。
男子では「出雲駅伝・全日本大学駅伝・箱根駅伝」が3大駅伝といわれるように、女子では10月の「全日本大学女子駅伝(杜の都女子駅伝)」と年末の「富士山女子駅伝」が2大駅伝と呼ばれるようになりました。
テレビなどで使われている「男は箱根、女は富士山」というキャッチコピーでもわかるように、富士山女子駅伝は男子の「箱根駅伝」と同じような位置付けとなっています。
歴史の浅い大会ではありますが、年末に開催されるということもあり富士山女子駅伝は大学駅伝の選手たちにとっては1年を締めくくる集大成の大会といえます。
富士山女子駅伝の歴代優勝校
続いて、富士山女子駅伝の歴代優勝校です。
歴代優勝校を見ると非常にはっきりしており、立命館大学と佛教大学、名城大学の3校しか優勝していません。
2017年(第12回)までは立命館大学の独壇場で、優勝を逃したのは2009年(第7回)の佛教大学の1度だけという強さでした。
そこに待ったをかけたのが名城大学で、2018年(第13回)から5連覇中です。
名城大学がどこまで連覇記録を伸ばすのか注目されますが、これほど歴代優勝校ははっきり色分けされている駅伝大会も珍しいといえるでしょう。
富士山女子駅伝の歴代優勝校と記録(優勝タイム)は、以下の通りです。
富士山女子駅伝の歴代優勝校と記録(優勝タイム)
2023年(第18回)名城大学(2時間22分42秒)
2022年(第17回)名城大学(2時間21分56秒)
2021年(第16回)名城大学(2時間22分24秒)
2020年(第15回)名城大学(2時間21分38秒)
2019年(第14回)名城大学(2時間23分09秒)
2018年(第13回)名城大学(2時間22分50秒)
2017年(第12回)立命館大学(2時間23分45秒)
2016年(第11回)立命館大学(2時間25分43秒)
2015年(第10回)立命館大学(2時間21分50秒)
2014年(第9回)立命館大学(2時間22分20秒)
2013年(第8回)立命館大学(2時間21分48秒)
2009年(第7回)佛教大学(1時間37分35秒)
2008年(第6回)立命館大学(1時間38分33秒)
2007年(第5回)立命館大学(1時間39分33秒)
2007年(第4回)立命館大学(1時間40分17秒)※1月開催
2006年(第3回)立命館大学(1時間38分07秒)
2005年(第2回)立命館大学(1時間40分39秒)
2004年(第1回)立命館大学(1時間41分43秒)
富士山女子駅伝の出場資格
富士山女子駅伝の出場資格は4つのカテゴリーからなります。
大会創設当初は出場チームは20チームで始まりましたが、現在は24チームが出場します。
その中でも10月開催の「全日本大学女子駅伝」から半数の12チームを占めており、富士山女子駅伝はまさに女子駅伝大学日本一を決める大会にふさわしい大会といえます。
富士山女子駅伝の出場資格は、以下の通りです。
富士山女子駅伝の出場資格
- 全日本大学女子駅伝対校選手権大会(杜の都女子駅伝)の上位12大学
- 1チーム7名の5,000mのチーム記録の上位10大学
- 日本学生選抜(全国8地区学連からの選抜チーム)
- 静岡県学生選抜(静岡県内の中学校・高校を卒業した選手、または静岡県内の大学・大学院に在学する選手で編成)
※2024年大会時点
富士山女子駅伝のコースと高低差
富士山女子駅伝のい開催コースは大会創設当初は埼玉県、2007~2009年までは茨城県でともに全長約30㎞ほどでした。
コースが大幅に変更になったのは静岡県に移った2013年からで、全7区間・全長43.4㎞は女子駅伝最長となっています。(2024年時点)
富士山女子駅伝のコースの魅力は、コースの至る所から望める雄大な富士山の姿ですが、7つの区間は女子駅伝の中でもトップクラスの過酷さと多様性を併せ持つ難関コースといえます。
富士山の裾野に広がる地形が生み出すアップダウン、海岸沿いでは強い海風が選手たちの前に立ちふさがります。
コースの高低差は174mに及び、特に最終7区は高低差169mでビル50階に相当する「魔の坂」が待ち受ける最難関区間です。
そしてフィニッシュとなる富士総合運動公園陸上競技場の手前がコースとしては最も標高が高い176mとなります。
このような難関コースのため、富士山女子駅伝では大逆転など順位の変動が起こりやすくドラマティックな展開になりやすいレースを見ることができます。
富士山女子駅伝のコース
- スタート:富士山本宮浅間大社前
- フィニッシュ:富士総合運動公園陸上競技場
- 区間:全7区間(43.4㎞)
1区(4.1km)第1中継所:富士山本宮浅間大社前
2区(6.8km)第2中継所:(株)石井鉄工所前
3区(3.3km)第3中継所:富士市交流プラザ前
4区(4.4km)第4中継所:富士市クリーンセンターききょう前
5区(10.5km)第5中継所:ジヤトコ本社前
6区(6.0km)第6中継所:遠州トラック㈱駐車場前
7区(8.3km)フィニッシュ:富士総合運動公園陸上競技場 - 高低差:174m
富士山女子駅伝の歴史と歴代優勝校~まとめ
今回は、富士山女子駅伝の歴史と歴代優勝校、出場資格、コースとその高低差などについて見てきました。
富士山女子駅伝は2004年2月15日に始まった歴史の浅い大会ですが、女子では10月の全日本大学女子駅伝(杜の都女子駅伝)と並んで2大駅伝と呼ばれ、男子の「箱根駅伝」と同じような位置付けとなっています。
歴代優勝校は2017年(第12回)までは立命館大学の独壇場で、2018年(第13回)以降は名城大学が6連覇中です。(2023年大会終了時点)
出場資格は4つのカテゴリーからなり現在は24チームが出場します。
コースは全7区間・全長43.4㎞(女子駅伝最長)で、高低差は174mにも及ぶ女子駅伝トップクラスの難関コースです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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