ボクシング界も今と昔を比較するとかなり変わってきているようです。
昔は団体も階級も少なかったため、チャンピオンも1人か2人でした。
ところが、現在では同じ階級に何人もいろいろな肩書きのチャンピオンがいて、だれが本当のチャンピオンなのかわからない階級も少なくありません。
いったい、なぜこのようなボクシングの階級が多すぎるような状況になったのでしょうか?
今回は、昔と比較して多すぎとも思えるボクシングの階級とチャンピオンについて見ていきます。
ボクシングの階級が多すぎ!
ボクシングの階級はプロでは現在17階級(WBCのみ18階級)ありますが、昔と比較するとかなり増えています。
昔は、7階級の時代があって、それが11階級となり現在に至る、といった具合でした。
増えたのは、軽量級が細分化されたためですが、きっかけは1968年のメキシコオリンピックで採用されたライトフライ級でした。
これを見たWBCスレイマン会長が、紆余曲折を経て7年後の1975年にジュニアフライ級の新設にこぎつけました。
具志堅用高選手が活躍した階級ですね。
これをきっかけに上の階級でもどんどんジュニアクラスが新設され、階級の細分化が進んでいきます。
その後、WBAもWBCの後を追うように次々とジュニアクラスを新設していきます。
ボクシングの階級名~今と昔の比較
ボクシングの階級名も今と昔を比較すると、だいぶ変わってきています。
ジュニア○○級という階級名がなくなり、スーパー○○級になり、ジュニアヘビー級はクルーザー級に、そして再軽量級にミニマム級が新設されています。
一覧表にすると、以下のようになります。
・ヘビー級
90.72kg以上(200ポンド以上)
・ブリッジャー級(WBCのみ)
90.72~101.60kg(200~224ポンド)
・クルーザー級(ジュニアヘビー)
90.72kg以下(200~175ポンド)
・ライトヘビー級
79.38kg以下(175~168ポンド)
・スーパーミドル級
76.20kg以下(168~160ポンド)
・ミドル級
72.57kg以下(160~154ポンド)
・スーパーウェルター級(ジュニアミドル)
69.85kg以下(154~147ポンド)
・ウェルター級
66.68kg以下(147~140ポンド)
・スーパーライト級(ジュニアウェルター)
63.50kg以下(140~135ポンド)
・ライト級
61.23kg以下(135~130ポンド)
・スーパーフェザー級(ジュニアライト)
58.97kg以下(130~126ポンド)
・フェザー級
57.15kg以下(126~122ポンド)
・スーパーバンタム級(ジュニアフェザー)
55.34kg以下(122~118ポンド)
・バンタム級
53.52kg以下(118~115ポンド)
・スーパーフライ級(ジュニアバンタム)
52.16kg以下(115~112ポンド)
・フライ級
50.80kg以下(112~108ポンド)
・ライトフライ級(ジュニアフライ)
48.97kg以下(108~105ポンド)
・ミニマム級(ストロー)
47.61kg以下(105ポンド以下)
参考:「ボクシング基礎知識・階級」(日本ボクシングコミッション公式サイト)
⇒ https://www.jbc.or.jp/info/howtobox/kiso.html
ボクシングのチャンピオンも多すぎ!
ボクシングの階級が細分化されて昔と比較して増えたのと同様に、チャンピオンの人数も増えたように思います。
以前はWBAとWBCぐらいでしたから、まあいいかという感じでしたが、その後IBF、WBOとボクシング団体が増えて主要4団体と呼ばれるようになりました。
これで同じ階級に4人の世界チャンピオンが存在することになりました。
さらにこれにとどまらず、各団体にスーパー・チャンピオンや暫定チャンピオンという肩書きが設定され始めました。
こうなると各階級に何人チャンピオンがいるのか、まただれが本当のチャンピオンで一番強いのかも、正直言ってわかりません。
チャンピオンの価値も昔と比較して、だいぶ下がったともいえます。
これだけチャンピオンが多ければ、制度を変えるか統一戦を行うことが望まれるところでしょう。
これに伴って始まったのが各階級の最強を決めようというWBSSというトーナメントで、いわゆる統一戦です。
まだ、始まったばかりで全階級で実施するには時間がかかるのが課題ですが、賞金も破格ですし、優勝すれば統一チャンピオンですからチャンピオンとしての価値も最高ランクです。
試みとしては最高のものといえるでしょう。
こちらの記事も合わせてどうぞ↓

ボクシングのチャンピオン~スーパー・チャンピオン
WBAが2001年から設定した制度で、WBA以外の団体でもチャンピオンとなった場合に認定されるチャンピオンです。
またはWBAのタイトルを5回、もしくは10回連続で防衛した選手もスーパー・チャンピオンに認定されます。
その他WBOでも同様にWBO以外の団体でもチャンピオンとなった場合や、WBOのタイトルを最低10回以上防衛、もしくは10度に満たなくても高評価と高い技術でWBOタイトルを防衛した選手をスーパー・チャンピオンとして認定しています。
複雑でわかりにくいですね。
ボクシングのチャンピオン~暫定チャンピオン
正規チャンピオンが怪我をした場合に暫定的に認められるチャンピオンです。
こちらはわかりやすいですが、正規チャンピオンがいるにもかかわらず、暫定チャンピオンが防衛戦を行い、それを団体が認定しているというのも変な気がします。
ボクシングの階級が多すぎ~まとめ
今回は、昔と比較して多すぎとも思えるボクシングの階級とチャンピオンについて見てきました。
ボクシングの階級はプロでは現在17階級(WBCのみ18階級)で昔と比較してかなり増えました。
また、団体も主要4団体と増え、さらにスーパー・チャンピオンなどが新設されたことから世界チャンピオンが何人も存在することになりました。
統一チャンピオンを望む声も多く、WBSSという最強チャンピオンを決めるトーナメントが始まっています。
団体が増えるのは悪いことではないかもしれませんが、チャンピオンが何人もいてだれが最強かわからないのではチャンピオンの価値も下がってしまいます。
できれば毎年最強チャンピオンを決めるシステムがあれば、と望みます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント