柔道の階級が体重差で決められていることはわかりますが、これがなんとも中途半端です。
もう少しスッキリしたキリの良い数字だとわかりやすいのに、なぜこうなったのでしょうか?
そこには知れば納得のなるほどという理由が隠されていました。
今回は、「柔道の階級が中途半端なのはなぜ?体重差による階差数列って何?」と題して、柔道の階級が中途半端な理由を見ていきます。
柔道の階級が中途半端なのはなぜ?
柔道では体重によるハンディキャップをなくすため、体重別で階級が設定されています。
以前はキリの良い数字だったのですが、1997年10月の国際柔道連盟(IJF)総会で承認されてから今ではこの体重別の区分となっていますが、なんともキリが悪い数字です。
同じ階級別で戦う競技であるボクシングもキログラムで見ると柔道と同様に非常に中途半端ですが、ボクシングの場合はポンドを基準としています。
軽量級の区分は柔道と同様に細かい傾向はありますが、例えばライト級は130〜135ポンド、ヘビー級は200ポンド以上など割とスッキリした区分になっています。
しかし、日本由来の競技である柔道はキログラムが基準です。
下の男子・女子の階級における体重を見ていただけるとわかりますが、非常に中途半端な数字になっています。
見ると階級が重くなるにつれて、体重差が少しずつ大きくなっていく傾向があります。
これは軽い階級ほど体重差の影響が大きいということを意味しています。
つまり柔道の階級が中途半端なのは、より体重差の影響を少なくするための細やかな配慮ということができます。
柔道の階級~男子
男子の階級は、ボクシングと違い軽量級でも60kgからの設定となっています。
柔道の場合は、仮に50kgのような60kgから離れた体重では、かなりのハンディとなります。
・60kg級
・66kg級(+6kg)
・73kg級(+7kg)
・81kg級(+8kg)
・90kg級(+9kg)
・100kg級(+10kg)
・100kg超級
柔道の階級~女子
男子に比べて女子の階級のほうが、より少ない体重差になっています。
これは、女子のほうが軽量であるため、体重差の影響が大きいからです。
・48kg級
・52kg級(+4kg)
・57kg級(+5kg)
・63kg級(+6kg)
・70kg級(+7kg)
・78kg級(+8kg)
・78kg超級
柔道の階級~体重差による階差数列とは?
柔道の階級がなぜ中途半端なのかはわかりました。
しかし、この中途半端な体重差をよく見てみると、そこには「階差数列」と呼ばれる規則性があることがわかります。
例えば、男子の階級の場合は、最も階級の軽い60kgから「5」、「6」、「7」、「8」、「9」というように、1ずつ体重差が増えています。
女子の階級も同様に、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」といった具合です。
柔道の体重区分は、何階級作るかという問題とともに、「階級差と体重の比率」を加味して設定されています。
この時、例えば5kgずつといった一定の決まった体重を加えていくのではなく、体重の比率で決めたほうが合理的であるという考えに基づいているのです。
この体重差を考慮して調整された階級が、体重差による階差数列です。
柔道の階級が中途半端なのはなぜ?~まとめ
今回は、「柔道の階級が中途半端なのはなぜ?体重差による階差数列って何?」と題して、柔道の階級が中途半端な理由を見てきました。
柔道の階級が中途半端なのは、軽い階級ほど体重差の影響が大きいため、より体重差の影響を少なくすることを目的としているためです。
これによって軽階級のほうが、より少ない体重差に設定されています。
階級の体重差は中途半端ではありますが、そこには「階差数列」と呼ばれる規則性があり体重の比率で決めるという合理的は方法が採用されています。
将来的には選手の大型化がさらに進めば、また新たな階級が設定される可能性もあるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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