日本のプロ野球はご存知のように、セ・リーグとパ・リーグの2つのリーグに分かれています。セ・リーグとパ・リーグでは所属している球団はもちろん違いますが、実はルールなどにもさまざまな違いがあります。
また、かつては「人気のセ、実力のパ」と呼ばれていたものですが、最近はどうもこの言葉が聞かれなくなっているようです。セ・リーグとパ・リーグの人気と実力差は逆転してるのでしょうか?
今回は、「プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違いは?実力差と人気は逆転してる?」と題して、プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違いについて見ていきたいと思います。
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違い
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグには名称と所属球団はもちろん違いますが、決定的な違いが「DH制(指名打者)」が導入されているかどうかということでしょう。
「DH制(指名打者)」とは、簡単に言うと投手が打席に立つかどうかということですが、このルールが導入されているということは投手の打順で毎回、代打が出てくるようなものですから攻撃面では非常に大きな差が出ます。
「DH制(指名打者)」はパ・リーグでは1975年から導入されていますが、セ・リーグでは現在(2021年)も導入されていません。
セ・リーグとパ・リーグではルールに違いがあるといっても過言ではなく、「DH制(指名打者)」が導入されていることによってパ・リーグのほうがセ・リーグより攻撃的な野球になっているといえます。
逆に「DH制(指名打者)」が導入されていないセ・リーグでは、投手の交代や投手に代打を出すタイミングなど、監督の手腕が勝敗を左右することも少なくありません。
「DH制(指名打者)」の詳細については、こちらの記事をご参照下さい↓
また、現在ではセ・パ両リーグとも1シーズン制ですが、パ・リーグでは前期・後期の2シーズン制の採用されていた時代(1973年~1982年)もありました。
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの球団一覧
セ・リーグ、パ・リーグの違いについて、所属球団はともにセ・パ各6球団ずつで同じで、本拠地球場などは以下のようになります。
セ・リーグの球団一覧
- 読売ジャイアンツ(東京・東京ドーム)
- 阪神タイガーズ(兵庫・阪神甲子園球場)
- 中日ドラゴンズ(愛知・バンテリンドームナゴヤ)
- 横浜DeNAベイスターズ(神奈川・横浜スタジアム)
- 広島東洋カープ(広島・MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島)
- 東京ヤクルトスワローズ(東京・明治神宮野球場)
パ・リーグの球団一覧
- 福岡ソフトバンクホークス(福岡・福岡PayPayドーム)
- 千葉ロッテマリーンズ(千葉・ZOZOマリンスタジアム)
- 埼玉西武ライオンズ(埼玉・メットライフドーム)
- 東北楽天ゴールデンイーグルス(宮城・楽天生命パーク宮城)
- 北海道日本ハムファイターズ(北海道・エスコンフィールドHOKKAIDO)
- オリックス・バファローズ(大阪・京セラドーム大阪)
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの正式名称と名前の由来
セ・リーグとパ・リーグ、どちらも略称であるのはわかりますが、正式名称はセ・リーグは「セントラルリーグ」、パ・リーグは「パシフィックリーグ」です。
日本のプロ野球は、もともとはひとつのリーグ(日本野球連盟)だったのですが、1949年(昭和24年)、新球団加盟をめぐってセ・リーグとパ・リーグに分裂したという歴史があります。
この時、新球団加盟に賛成したのがパシフィックリーグ(パ・リーグ)で、「パシフィック」は「太平洋」を意味し、国際的な視野に立っているという意味が名前の由来となっています。
一方、新球団加盟に反対したのがセントラルリーグ(セ・リーグ)で、「セントラル」は「中心」を意味しますが、セ・リーグこそが日本プロ野球の中心で正当な野球連盟であるという主張が名前の由来となっています。
名前の由来から考えても今以上に、セ・リーグとパ・リーグのライバル意識が強かったことが感じられます。
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの実力差と人気は逆転してる?
では続いて、プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの実力差と人気について見ていきましょう。
人気の面では、かつては、セ・リーグがパ・リーグを圧倒していました。
絶対的な強さを誇り、王・長嶋などのスター選手が多く在籍した巨人を中心にセ・リーグに人気が集中し、巨人戦は連日満員で、パ・リーグの球場はガラガラという時代が長く続きました。
本当に明暗くっきりといった状態で、パ・リーグの球場では観客がゴロンと横になって野球観戦していた光景が思い出されます。
人気で劣っていたパ・リーグとしては、実力でアピールして対抗しました。注目度の高いオールスター戦でセ・リーグに勝っていたので、いつしか「人気のセ、実力のパ」と呼ばれるようになりました。
しかし、1980年代に西武ライオンズの黄金時代を築いたり、ドラフトで清原選手などの人気選手がパ・リーグに入団するようになったあたりから、パ・リーグの人気も次第に高くなり今ではどちらのリーグが人気があるとはいえない時代になったといえます。
しかし、近年では日本シリーズや交流戦ではパ・リーグがセ・リーグを圧倒しており実力差は歴然となり、「人気は互角、実力はパ」と呼ばれてもいい時代になったといえます。
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグ~どっちが強い?
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグでどっちが強いのか、その実力差をセ・パ両リーグが対戦する日本シリーズ、交流戦、オールスター戦で見ていきましょう。
日本シリーズでは通算成績ではほぼ互角であるものの2001年以降はパ・リーグがセ・リーグを圧倒、交流戦でも同じくパ・リーグがセ・リーグを圧倒しています。
オールスター戦は通算成績と2001年以降ともにいい勝負ですが、球宴という意味合いからもオールスター戦は勝敗の価値は日本シリーズと交流戦ほど高くはないといっていいでしょう。
セ・リーグとパ・リーグでどっちが強いのかは明らかで、パ・リーグが圧倒的に強いことがわかります。
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグでどっちが強い
- 日本シリーズ
パ・リーグの37回優勝(220勝)に対して、セ・リーグは38回優勝(216勝)※引き分け9
2001年以降はパ・リーグの16回優勝(77勝)に対して、セ・リーグの8回優勝(59勝)※引き分け3 - 交流戦
パ・リーグの14回優勝(1306勝)に対して、セ・リーグは5回優勝(1174勝)※引き分け76 - オールスター戦
パ・リーグの92勝に対して、セ・リーグの82勝 ※引き分け11
※記録は2024年シーズン終了時点のものです。(ただし、2020年の交流戦とオールスターは新型コロナウイルスの影響で中止)
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違い~まとめ
今回は、「プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違いは?実力差と人気は逆転してる?」と題して、プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違いについてまとめました。
プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違いが「DH制(指名打者)」が導入されているかどうかで、パ・リーグでは1975年から導入されていますが、セ・リーグでは現在(2021年)も導入されていません。
人気と実力差については、かつては「人気のセ、実力のパ」と呼ばれていた時期が長く続きましたが、今ではパ・リーグの人気も次第に高くなり互角、日本シリーズや交流戦ではパ・リーグがセ・リーグを圧倒して実力差は歴然で、今では「人気は互角、実力はパ」と呼ばれてもいい時代になったといえます。
人気はいいバランスになったといえますが、実力差が歴然としているので今後はセ・リーグの奮起が期待される時代になったといえるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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