実業団駅伝日本一を決めるニューイヤー駅伝は、1957年に全日本実業団対抗駅伝競走大会を大会名称として始まりました。
1988年に元日の1月1日に開催されたのを契機に、ニューイヤー駅伝と呼ばれるようになりました。
これまで長い歴史のあるニューイヤー駅伝ですが、優勝回数歴代最多チームと大会記録はどうなっているのでしょうか?
また、コースは群馬県開催が定着していますが、出場枠に関してはニューイヤー駅伝ならではの他の駅伝大会にはない独特のシステムになっているようです。
今回は、ニューイヤー駅伝の優勝回数歴代最多チームと大会記録、コースと区間距離、出場枠などを見ていきます。
ニューイヤー駅伝の優勝回数歴代最多
ニューイヤー駅伝の優勝回数歴代最多チームは旭化成で、優勝回数は25回と2位以下を大きく引き離しています。
旭化成の25回の優勝には1990年~1995年と1978年~1983年の2度の6連覇、2017年~2020年の4連覇、1997年~1999年と1964年~1966年の2度の3連覇などが含まれます。
2位はコニカミノルタで8回の優勝はすべて2000年以降のもので、旭化成の強力なライバルとなっています。
近年はこの2チームが激しくしのぎを削る時代といえるでしょう。
ニューイヤー駅伝の優勝回数ランキングは、以下の通りです。
ニューイヤー駅伝の優勝回数ランキング
- 1位:25回
旭化成 - 2位:8回
コニカミノルタ(コニカ含む) - 3位タイ:4回
エスビー食品、カネボウ(鐘紡)、トヨタ自動車 - 6位タイ:3回
リッカーミシン、新日本製鉄(八幡製鉄)、富士通 - 9位タイ:2回
東京急行電鉄、マツダ(東洋工業)、NTT西日本(電電中国)、中国電力、日清食品グループ、Honda - 15位タイ:1回
日産自動車、クラレ
ニューイヤー駅伝の大会記録
一方、ニューイヤー駅伝の大会記録はコニカミノルタが2003年に記録した4時間44分48秒となっています。(コースの全長が100kmとなった2001年以降)
大会記録はコニカミノルタの独壇場で、ランキング5位以内のうち4回を占めています。
ニューイヤー駅伝の大会記録ランキングは、以下の通りです。
ニューイヤー駅伝の大会記録ランキング
- 1位:4時間44分48秒 コニカ(2003年)
- 2位:4時間44分54秒 コニカミノルタ(2006年)
- 3位:4時間45分32秒 コニカ(2002年)
- 4位:4時間46分07秒 旭化成(2020年)
- 5位:4時間46分28秒 コニカミノルタ(2008年)
※大会記録ランキングはコースの全長が100kmとなった2001年(第45回)以降のものです。
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ニューイヤー駅伝の歴代優勝チームと記録(優勝タイム)
ニューイヤー駅伝は現在では元日の1月1日の開催が定着していますが、以前は早春や年末などさまざまな時期に開催されてきました。(元日開催が定着したのは1988年以降)
年によって2度開催されていたり未開催だったりするのはこのためです。歴代優勝チームを見ると連覇が多く見られるのが特徴で、それぞれの時代にどのチームが強かったのかがはなりはっきりしています。
ニューイヤー駅伝の歴代優勝チームと記録(優勝タイム)は、以下の通りです。
ニューイヤー駅伝の歴代優勝チームと記録(優勝タイム)
2023年(第68回):トヨタ自動車(4時間49分02秒)
2023年(第67回):Honda(4時間48分06秒)
2022年(第66回):Honda(4時間51分04秒)
2021年(第65回):富士通(4時間48分52秒)
2020年(第64回):旭化成(4時間46分07秒)
2019年(第63回):旭化成(4時間51分27秒)
2018年(第62回):旭化成(4時間52分18秒)
2017年(第61回):旭化成(4時間49分55秒)
2016年(第60回):トヨタ自動車(4時間52分15秒)
2015年(第59回):トヨタ自動車(4時間51分41秒)
2014年(第58回):コニカミノルタ(4時間53分35秒)
2013年(第57回):コニカミノルタ(4時間51分32秒)
2012年(第56回):日清食品グループ(4時間49分32秒)
2011年(第55回):トヨタ自動車(4時間51分56秒)
2010年(第54回):日清食品グループ(4時間50分07秒)
2009年(第53回):富士通(4時間51分55秒)
2008年(第52回):コニカミノルタ(4時間46分28秒)
2007年(第51回):中国電力(4時間47分02秒)
2006年(第50回):コニカミノルタ(4時間44分54秒)
2005年(第49回):コニカミノルタ(4時間48分57秒)
2004年(第48回):中国電力(4時間47分03秒)
2003年(第47回):コニカ(4時間44分48秒)
2002年(第46回):コニカ(4時間45分32秒)
2001年(第45回):コニカ(4時間49分44秒)
2000年(第44回):富士通(4時間12分07秒)
1999年(第43回):旭化成(4時間11分34秒)
1998年(第42回):旭化成(4時間06分28秒)
1997年(第41回):旭化成(4時間07分54秒)
1996年(第40回):鐘紡(4時間14分33秒)
1995年(第39回):旭化成(4時間15分02秒)
1994年(第38回):旭化成(4時間14分21秒)
1993年(第37回):旭化成(4時間10分50秒)
1992年(第36回):旭化成(4時間08分24秒)
1991年(第35回):旭化成(4時間10分04秒)
1990年(第34回):旭化成(4時間13分52秒)
1989年(第33回):日産自動車(4時間14分52秒)
1988年(第32回):エスビー食品(4時間05分45秒)
1986年(第31回):エスビー食品(4時間04分01秒)
1985年(第30回):エスビー食品(4時間54分30秒)
1984年(第29回):エスビー食品(4時間48分32秒)
1983年(第28回):旭化成(4時間57分11秒)
1982年(第27回):旭化成(4時間56分42秒)
1981年(第26回):旭化成(4時間59分18秒)
1980年(第25回):旭化成(4時間56分00秒)
1979年(第24回):旭化成(4時間57分15秒)
1978年(第23回):旭化成(5時間00分09秒)
1977年(第22回):鐘紡(5時間00分10秒)
1976年(第21回):鐘紡(4時間58分42秒)
1975年(第20回):旭化成(4時間58分48秒)
1974年(第19回):鐘紡(5時間01分42秒)
1973年(第18回):旭化成(5時間06分47秒)
1972年(第17回):クラレ(4時間58分10秒)
1971年(第16回):東洋工業(5時間02分08秒)
1970年(第15回):電電中国(5時間00分59秒)
1969年(第14回):東洋工業(4時間08分11秒)
1968年(第13回):旭化成(4時間11分45秒)
1967年(第12回):電電中国(4時間14分57秒)
1966年(第11回):旭化成(4時間15分44秒)
1965年(第10回):旭化成(4時間14分21秒)
1964年(第9回):旭化成(4時間13分28秒)
1963年(第8回):東急(4時間16分13秒)
1962年(第7回):八幡製鉄(4時間16分04秒)
1961年(第6回):東急(4時間25分35秒)
1960年12月18日(第5回):リッカーミシン(4時間25分23秒)
1960年2月21日(第4回):八幡製鉄(4時間30分11秒)
1959年(第3回):リッカーミシン(4時間27分56秒)
1958年(第2回):リッカーミシン(4時間28分21秒)
1957年(第1回):八幡製鉄(4時間27分58秒)
ニューイヤー駅伝のコースと区間距離
ニューイヤー駅伝のコースは現在では全7区間・全長100kmで、群馬県庁をスタート・フィニッシュ地点とするコースとなっています。
群馬県庁をスタートしてからは、高崎市、前橋市、伊勢崎市、太田市、桐生市という群馬県南部の主要都市を通過して再び群馬県庁に戻ります。
ニューイヤー駅伝のコースは、創設から1985年(第30回)までは三重県伊勢、1986年(第31回)のみ滋賀県彦根市、1988年(第32回)以降現在に至るまで群馬県となっています。
83.5kmから始まり、現在のような全長100kmとなったのは2001年(第45回)からです。
ニューイヤー駅伝のコースの区間と区間距離は、以下の通りです。
ニューイヤー駅伝のコース区間距離
コース(2025年):全7区間(100.0km)
第1区(12.3km):群馬県庁~高崎市役所
第2区(21.9km):高崎市役所~伊勢崎市役所
第3区(15.4km):伊勢崎市役所~三菱電機群馬製作所
第4区(7.6km):三菱電機群馬製作所~太田市役所
第5区(15.8km):太田市役所~桐生市役所
第6区(11.4km):桐生市役所~伊勢崎市西久保町
第7区(15.6km):伊勢崎市西久保町~群馬県庁
コース(2024年):全7区間(100.0km)
第1区(12.3km):群馬県庁~高崎市役所
第2区(21.9km):高崎市役所~伊勢崎市役所
第3区(15.4km):伊勢崎市役所~三菱電機群馬製作所
第4区(7.8km):三菱電機群馬製作所~太田市役所※
第5区(15.8km):太田市役所~桐生市役所
第6区(11.2km):桐生市役所~伊勢崎市西久保町
第7区(15.6km):伊勢崎市西久保町~群馬県庁
※外国人選手出場可能区間
コース(2023年)全7区間(100.0km)
第1区(12.3km):群馬県庁~高崎市役所
第2区(8.3km):高崎市役所~前橋市公田町
第3区(13.6km):前橋市公田町~伊勢崎市役所
第4区(22.4km):伊勢崎市役所~太田市役所
第5区(15.8km):太田市役所~桐生市役所
第6区(11.9km):桐生市役所~伊勢崎市西久保町
第7区(15.7km):伊勢崎市西久保町~群馬県庁
ニューイヤー駅伝のコースの開催場所と距離の変遷
2001年(第45回)~ :群馬県(100.0km)
1999年(第43回)・2000年(第44回):群馬県(86.4km)
1989年(第33回)~1998年(第42回):群馬県(86.3km)
1988年(第32回):群馬県(84.9km)
1986年(第31回):滋賀県彦根市(84.4km)
1973年(第18回)~1985年(第30回):三重県伊勢(99.0km)
1970年(第15回)~1972年(第29回):三重県伊勢(99.4km)
1966年(第11回)~1969年(第14回):三重県伊勢(83.0km)
1961年(第6回)~1965年(第10回):三重県伊勢(83.6km)
1957年(第1回)~1960年(第5回):三重県伊勢(83.5km)
ニューイヤー駅伝の出場枠は何チーム?
ニューイヤー駅伝に出場枠は各地区合計で37チームですが、特徴的なのはシード権がないということです。
ニューイヤー駅伝のシード権は2008年(第52回)までは上位15位のチームに与えられていたのですが、2009年(第53回)から廃止され、各地区予選の上位チームが出場枠を獲得する方式となりました。
予選は、東日本・中部・北陸・関西・中国・九州の6つの地区に分かれて行われます。地区の分け方もかなり偏っているように見えますが、これは実業団陸上競技連盟がこの6つに分かれているためです。
北海道と東北・関東地方は東日本、四国地方は関西ということになっています。そして、ニューイヤー駅伝の各地区ごとの出場枠は毎年固定されているわけではなく、前年のニューイヤー駅伝の成績で変わります。
37(2024年は40)の出場枠はまず6地区すべてに1枠ずつが与えられ、次に前回大会で30位以内に入ったチーム数だけ出場枠を獲得できます。
さらに30位以内のチームの各地区ごとの順位の平均を出して、この順位の最も上位の地区にさらにもう1枠が与えられるという複雑なシステムになっています。
つまり、大会で30位以内に入らないと、その地区は出場枠が減ってしまうことになります。出場枠が各地区ごとに偏りが見られるのはこのためです。
ニューイヤー駅伝の優勝回数歴代最多と大会記録~まとめ
今回は、ニューイヤー駅伝の優勝回数歴代最多チームと大会記録、コースと区間距離、出場枠などを見てきました。
ニューイヤー駅伝の優勝回数歴代最多チームは優勝回数25回の旭化成で、大会記録はコニカミノルタが2003年に記録した4時間44分48秒です。(コースの全長が100kmとなった2001年以降)
コースは全7区間・全長100km、群馬県庁をスタート・フィニッシュ地点とするコースで、現在の全長100kmとなったのは2001年(第45回)からです。
出場枠は各地区合計で37チーム(2024年は40チーム)でシード権がないのがニューイヤー駅伝の特徴で、大会で30位以内に入らないとその地区は出場枠が減ってしまうという複雑なシステムです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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