大相撲の地位の中で最上位に位置するのが横綱ですが、ここのところは日本人横綱が誕生しないこともあって寂しい限りです。
早く日本人横綱が誕生してほしいのはやまやまですが、横綱に昇進するには厳しい条件があります。
綱取りがかかった場所でそれなりの成績をあげても、昇進するしないで大きな話題となったこともあります。
やや曖昧な感もある大相撲の横綱昇進の条件ですが、実際はどうなものなのでしょうか?
今回は、大相撲の横綱昇進の条件とそれ以外にも代最年少記録、最短スピード出世記録などについて見ていきます。
大相撲の横綱昇進の条件
大相撲の横綱昇進の条件は、原則として、最低でも「大関で2場所連続優勝またはそれに準ずる成績」とされています。
連続優勝を果たさなくても横綱に昇進する例は多く見られ、年6場所制になって以降、昭和時代に大関で2場所連続優勝で横綱昇進した力士は大鵬、北の富士、琴櫻の3人のみです。
さらに、現時点で大関での優勝経験が一度もない唯一の横綱昇進となったのが、1987年(昭和62年)に横綱昇進した双羽黒(直近2場所は26勝4敗)です。
横綱昇進後の活躍が期待された双羽黒ですが、親方らとのトラブルにより横綱在位わずか8場所で廃業してしまい横綱の権威に傷をつけてしまいます。
双羽黒の事件が影響したのかどうかはわかりませんが、平成になってからは8人連続で大関で2場所連続優勝での横綱昇進が実現しています。
このように大関で2場所連続優勝すれば横綱昇進は間違いないのですが、”それに準ずる成績”の場合、相撲内容が問われたりして不明瞭な感があるのは否めません。
また、14勝で優勝できないこともあれば11~12勝で優勝できることもあるため、双羽黒のような問題も出てくる可能性もあります。
実際に勝ち星では1951年(昭和26年)に横綱昇進した千代ノ山の22勝8敗(優勝1)が、最少勝ち星での横綱昇進となっています。
こうしたことを踏まえると、優勝という成績よりも”直近〇場所で〇勝以上”というように、具体的な数字での条件がわかりやすいようにも思います。
大関昇進の条件は直近3場所の成績を参考にするのに、横綱昇進の条件は直近2場所の成績というのも個人的には腑に落ちない気がします。
大相撲の横綱昇進の歴代最年少記録
大相撲の横綱昇進の条件はわかりました。
では、この厳しい条件をクリアして横綱に昇進した中で、最も若くして横綱昇進を果たした力士はだれなのでしょうか?
最年少記録1位は、北の湖関の21歳2か月です。
北の湖関はかつては十両・
しかし、横綱昇進の最年少記録だけは破られることはありませんでした。
大相撲の横綱昇進の歴代最年少記録は、以下の通りです。
大相撲の横綱昇進の歴代最年少記録
1位 北の湖:21歳2か月(第55代・1974年9月横綱昇進)
2位 大鵬:21歳3か月(第48代・1961年11月横綱昇進)
3位 白鵬:22歳2か月(第69代・2007年7月横綱昇進)
4位 貴乃花:22歳3か月(第65代・1995年1月横綱昇進)
5位 朝青龍:22歳4か月(第68代・2003年3月横綱昇進)
6位 柏戸:22歳9か月(第47代・1961年11月横綱昇進)
7位 双羽黒:22歳11か月(第60代・1986年9月横綱昇進)
8位 照國:23歳4か月(第38代・1943年1月横綱昇進)
9位 曙:23歳8か月(第64代・1993年3月横綱昇進)
10位 北勝海:23歳11か月(第61代・1987年7月横綱昇進)
※2023年2月時点での記録です。
大相撲の横綱昇進の最短スピード出世記録
横綱昇進の歴代最年少記録の次は、横綱昇進の最短スピード出世記録です。
最短スピード出世記録も北の湖関かと思いきや、違いました。
横綱昇進の最短スピード出世記録を持っているのは輪島関で、初土俵から横綱までわずかなんと21場所というスピード出世です。
本場所は年に6場所ですから、年数にしてわずか約3年半ほどで横綱昇進を果たしたことになります。
続く横綱昇進の最短スピード出世記録を見てみると、朝青龍関の25場所、大鵬関の29場所、曙関の30場所、白鵬関の38場所、貴乃花関の41場所となっています。
逆に一番のスロー出世記録は隆の里関の91場所で、トップの輪島関の3倍以上を要しています。
大相撲の横綱昇進の最短スピード出世記録は、以下の通りです。
横綱昇進の最短スピード出世記録
1位 輪島:21場所
2位 朝青龍:25場所
3位 大鵬:29場所
4位 曙:30場所
5位 白鵬:38場所
6位 貴乃花:41場所
7位 双羽黒:45場所
8位 北の湖:46場所
9位 北勝海:50場所
大相撲の大関昇進の条件は、こちらの記事をご参照下さい↓
大相撲の横綱昇進の条件~まとめ
今回は、大相撲の横綱昇進の条件とそれ以外にも歴代最年少記録、最短スピード出世記録などについて見てきました。
大相撲の横綱昇進の条件は、最低でも「大関で2場所連続優勝またはそれに準ずる成績」となっていますが、大関での優勝経験が一度もないまま横綱に昇進した例や勝ち星では22勝8敗(優勝1)で横綱昇進した例もあります。
横綱昇進の歴代最年少記録は北の湖関の21歳2か月、最短スピード出世記録は輪島関の初土俵から横綱まで21場所です。
大相撲の横綱昇進の条件は、時と場合によっては不明瞭なこともあり、優勝という成績よりも”直近〇場所で〇勝以上”というように具体的な数字での条件がよりわかりやすいようにも思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
こんにちは。
横綱スピード出世は、輪島が21場所です。朝青龍に合わせて、三段目までの3場所を足しても24場所と、最短になります。
pennamesun様、ご指摘ありがとうございます。
確認の上、訂正致しました。
今後ともよろしくお願いします。