相撲はスポーツであると同時に、日本では神事でもあり長い歴史があります。
取り組みが始まるまでにも四股を踏んだり、力水を付けたりといろいろな行動をとります。
そんな中でもひと際目を引くのが取り組みり前に塩をまくという行為ではないでしょうか。
見た限り世界中のスポーツで塩をまくのは日本の大相撲だけだと思いますが、いったいどんな意味があるのでしょうか?
相撲で塩をまくのはなぜなのでしょうか?
今回は、相撲で塩をまく理由と豪快で大量にまく力士はだれか、さらに取り組み前の作法なども見ていきます。
相撲で塩をまくのはなぜ?
昔から日本人は塩に対して神聖なものという認識があり、塩はものを清めると信じられてきました。
また相撲の歴史を見ると神社のお祭りの中で行われ、豊穣や豊漁を占う神事として捉えられてきました。
このような神事としての相撲という側面から、取組みの前に”土俵=神聖な場所”を清めるために塩をまき始めたといわれています。
これが相撲で塩をまく理由として最も有力な説です。
また、力士がケガをした時の傷の殺菌効果もかねて塩をまく、という説もありますが、これは清めの塩と比べて説得力が落ちるような気がします。
相撲で塩をまける力士とまけない力士がいる
実は力士全員が塩をまけるというわけではないらしいです。
現在は、塩が撒けるのは十両以上の力士です。
十両以下の幕下の力士は時間がある時しか、塩をまけませんし、三段目・序二段・序の口に至っては全く塩をまく事ができないのです。
幕下でも上位の方の取り組みか、取り組みが早く進行して時間がある時だけなので、毎回というわけでもありません。
まあ塩をまくために力士になったわけではないでしょうけど、塩をまけるようにならないと力士としても一人前とはいえないのかもしれませんね。
一応の目標にはなるでしょう。
相撲の塩まきで使われる塩の量は?
塩まきで使われる塩の量を調べてみると1日で約45kg、一場所(15日間)で、約650kg以上の塩が用意されるそうです。
また力士以外では、取組後、呼出さんが土俵に塩をまいている姿を見かけることがあります。
これは力士が自力で立てないような怪我を負ったときに、土俵を清めるために呼出が塩をまきます。
呼出さんがまく塩の量は微々たるものだと思いますが、45kgといえば細い女性一人分に当たる量です。
力士の手はご存知の通り大きいですから、たくさんの塩をまくことにはなりますが、それにしても凄い量ですね。
相撲で塩を豪快で大量にまく力士はだれ?
ところで、相撲中継を見ていると豪快で大量に塩をまく力士もいれば、少しだけ申し訳程度にしかまかない力士もいますよね。
見ていておもしろいのは、やはり豪快で大量に塩をまく力士です。
その力士が塩をまくと会場に歓声が上がるほどですから、見に行っているお客さんの中には楽しみにしている人もいるんだなと思ったりもします。
この豪快で大量に塩をまく力士はだれでしょうか?
引退した力士と現役の力士の中から、一人づつあげてみましょう。
相撲で塩を豪快で大量にまく力士①~水戸泉関
先ずはこの方、水戸泉関です。
現在は錦戸親方として親方業に精を出していますが、この方の塩まきは豪快そのものでした。
上背もあり体格も良かったので、豪快に大量に塩をまく姿がとても絵になりました。
水戸泉関に関するこちらの珍記録も合わせてどうぞ↓
相撲で塩を豪快で大量にまく力士②~旭日松関
旭日松関は水戸泉関とは対照的に小柄な力士です。
その体格のハンディを補うために豪快に大量に塩をまくことを考え出したというのですからユニークです。
本人も「幕内でも続けます。小さい(身長1m74)ので少しでもインパクトのあることをしないと」と話しているほどですから、自分のトレードマークとしての認識は十分です。
知っているといい相撲の取り組み前の作法
相撲では塩をまくこと以外にもさまざまな作法があります。
今まではなんとなく見ていた力士たちの行動もその意味を知れば、また違った楽しみ方もできると思います。
代表的な作法を2つほどあげてみましょう。
相撲の取り組み前の作法①~力水
力士が神聖な土俵にあがるため口をすすぎ身を清めるための水で、通常、前の取り組みで勝った力士がつけます。
神聖な土俵にあがるために身を清めるために行う作法ですが、一種の儀式のようにも見えますよね。
力水は飲まないで、一口だけ口に含むだけです。
相撲の取り組み前の作法②~四股を踏む
四股を踏むのは、大地に霊が宿っており、その霊を鎮めるためといわれています。
筆者などは最初は相撲独特の準備運動かと思っていました。
これで大地に霊が鎮まるかどうかはわかりませんが、なるほどです。
相撲で塩をまくのはなぜ?~まとめ
今回は、相撲で塩をまく理由と豪快で大量にまく力士はだれか、さらに取り組み前の作法なども見てきました。
相撲で塩をまく理由は、土俵という神聖な場所を清めるためという説が有力で、豪快で大量にまく力士は古くは水戸泉関、現役では旭日松関が代表的な力士です。
歴史ある大相撲ですが、何気なく見ている中にも実はいろいろな意味があったことがわかりました。
相撲の作法に関しても詳しくなれば、相撲観戦の楽しみもさらに広がりますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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