大相撲では横綱や大関などの上位力士が優勝することが多いですが、時々、番付がかなり下の力士が優勝することがあります。
中でも幕尻優勝は滅多に見られないことで、過去にも数えるほどしか例がありません。
この相撲の幕尻優勝とはどんな意味で、過去に何人の力士が達成しているのでしょうか?
今回は、相撲の幕尻優勝の意味とは何か、また過去に達成した力士と賞金額などについても見ていきたいと思います。
相撲の幕尻優勝の意味とは?
相撲の幕尻優勝を説明する前に、相撲では幕尻とはどんな意味なのかを確認していきましょう。
大相撲では力士の階級に応じて番付というランキング(格付け)があります。
番付には格付けの上から順番に、幕内→十両→幕下→三段目→序二段→序ノ口まであり、幕尻とはこの中の幕内の最もランクの低い地位をいいます。
もっと具体的にいうと、幕内では「横綱」「大関」「関脇」「小結」があり、その下に「前頭」がありますが、幕尻とはこの「前頭」の最も下(最も数字が大きい)のランクを意味します。
ちなみに「前頭」は「横綱」「大関」「関脇」「小結」の人数によって決まりますが、15番目前後になることが多いです。
そして、幕尻優勝とはこの幕尻の地位の力士が優勝することを意味します。
相撲の幕尻優勝~過去に達成した力士
続いて、大相撲で過去に幕尻優勝を達成した力士を見ていきましょう。
大相撲においては幕内優勝はほとんど上位力士が占めていて、長い大相撲の歴史の中で平幕の力士(前頭の力士)が優勝したのは過去に約30回ほどしかありません。
幕尻優勝ともなればさらに難しく、達成した力士は過去にたったの5人しかいません。
(15日制では4人)
幕尻優勝は上位力士が総崩れするか、休場した時に出やすいとはいえますが、過去の記録から見ても優勝の中でも非常に珍しい優勝であるといえます。
過去に幕尻優勝を達成した力士は、以下の通りです。
幕尻優勝を達成した力士
- 1939年(昭和14年)1月場所:出羽湊(西前頭17枚目)13戦全勝
- 2000年(平成12年)3月場所:貴闘力(東前頭14枚目)13勝2敗
- 2020年(令和2年)1月場所:徳勝龍(西前頭17枚目)14勝1敗
- 2020年(令和2年)7月場所:照ノ富士(東前頭17枚目)13勝2敗
- 2024年(令和6年)3月場所:尊富士(東前頭17枚目)13勝2敗
※2024年3月24日時点
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相撲の幕尻優勝の賞金額
そして、気になる幕尻優勝の賞金額ですが、幕内優勝であれば横綱であろうが幕尻であろうが、優勝賞金に差はありません。
幕尻優勝の賞金額は幕内優勝賞金額の1,000万円で、賜杯、賞状、副賞なども贈られます。
幕内で優勝すれば、獲得する優勝賞金や副賞などに地位は関係ないというわけです。
それにしても幕尻という地位は負け越せば間違いなく十両に陥落するわけですから、そこから優勝するというのは賞金以上に大きな快挙であることに間違いはありません。
優勝賞金1,000万円も前頭の年収を考えると、非常にうれしいものです。
大相撲の優勝賞金や副賞などについては、こちらをご参照下さい↓
相撲の幕尻優勝の意味とは?~まとめ
今回は、相撲の幕尻優勝の意味とは何か、また過去に達成した力士と賞金額などについても見てきました。
大相撲で幕尻とは幕内の最もランクの低い地位(前頭の最も下)をいい、幕尻優勝とは幕尻の地位の力士が優勝することを意味します。
過去に幕尻優勝を達成した力士は、1939年(昭和14年)1月場所の出羽湊、2000年(平成12年)3月場所の貴闘力、2020年(令和2年)1月場所の徳勝龍、2020年(令和2年)7月場所の照ノ富士、2024年(令和6年)3月場所(春場所)の尊富士の5人のみで、優勝賞金額は幕内優勝賞金額の1,000万円です。
幕尻優勝は上位力士が総崩れ、あるいは休場した時に出やすいといえますが、番付上、実力的には最も低い評価なので大変珍しい優勝といえます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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