秋に行われるプロ野球のドラフト会議は、注目の新人選手がどの球団に行くかが注目され、毎年、大きな話題となります。
意中の選手を抽選で引き当てるシーンはテレビで何度も放映されます。
しかし、このドラフト会議の仕組みについてはあまり詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか?
また、同時に行われている育成選手を獲得する育成枠についても気になります。
今回は、プロ野球ドラフト会議の仕組みと育成枠とは何か、またこれまでの歴代最多指名選手はだれなのかについても見ていきます。
プロ野球ドラフト会議の仕組み
プロ野球ドラフト会議はプロ野球の各球団が新人選手を獲得するために行われる会議で、正式名称は新人選手選択会議といいます。
将来有望な選手が特定の球団に偏らないよう12球団の戦力が均衡することを目的として、1965年から導入されています。
ドラフト会議ではプロ野球の各球団が獲得したい選手を指名し、その選手との交渉権を得ることができるかどうかが決まります。
逆に、新人選手が入団したい球団を指名(逆指名)することはできません。
交渉権の有効期限はドラフト会議の翌年3月末までとなっており、それまでに契約を済ませて支配下選手として公示できなければ契約交渉権は無効となります。
なお、社会人野球のチームに所属する選手については、交渉権の期限が翌年1月末までとなっています。
ドラフト会議は公平を期すために、ルールが定められていますが、その仕組みをわかりやすく見ていきましょう。
プロ野球ドラフト会議~指名できる選手
まずプロ野球ドラフト会議で指名できる新人選手ですが、いくつか条件があります。
プロ野球ドラフト会議で指名の対象となるのは、過去に日本のプロ野球の球団に在籍したことがない選手で、日本国籍を持っているか、日本の中学校、高校とこれに準ずる学校、大学とこれに準ずる団体のいずれかに在学した経験をもつ選手です。
プロ志願届を提出するのも条件となります。
プロ野球ドラフト会議~指名の手順
続いて、プロ野球ドラフト会議の指名の手順ですが、1巡目と2巡目以降で仕組みが異なります。
1巡目は入札抽選で12球団が同時に選手を指名し、指名が複数の球団で重複した場合には抽選を行い交渉権を持つ球団を決めます。
抽選に外れた球団は別の選手を指名して再度入札抽選を行い、全球団の1巡目指名選手が確定するまで繰り返されます。
2巡目以降はウェーバー方式という仕組みが採用されます。
ウェーバー方式により、2巡目はドラフト会議1週間前におけるペナントレースの最下位の球団から順番に指名していく仕組みになっています。
3巡目は2巡目とは逆に逆ウェーバー方式といって1位の球団から順番に指名していきます。
このように偶数巡目ではウェイバー方式、奇数巡目では逆ウェイバー方式で選手を指名していきます。
セ・リーグとパ・リーグのどちらが先に指名するかについては、以前はオールスターゲームや交流戦の勝敗が反映されていましたが、2019年以降は1年おきとなっています。(2019年はセ・リーグ、2020年はパ・リーグ)
プロ野球ドラフト会議の育成枠とは?
プロ野球ドラフト会議での各球団の指名できる選手の人数は最大10名で、ドラフト会議全体では120名が上限となっています。
しかし、12球団がすべての指名を終了しても、指名選手がまだ120名に達せずに枠に空きがある場合にはドラフト会議終了後に育成選手選択会議が行われます。
このドラフト会議120名未満の空き枠が育成枠で、各球団は支配下登録ではない育成選手として獲得したい選手を指名することができます。
育成選手選択会議の指名の手順はドラフト会議の2巡目以降と同じ仕組みで、ウェーバー方式と逆ウェーバー方式を交互に行い、全球団が終了するまで続けられます。
プロ野球ドラフト会議の歴代最多指名選手
最後に、これまでのプロ野球ドラフト会議で1人の選手にどれだけ多くの球団の指名が重複したか、歴代最多指名選手を見ていきましょう。
最多重複は8球団で、過去に野茂英雄投手と小池秀郎投手の2名です。
以下、5球団以上が重複した例を見ると、7球団も2名、6球団と5球団は各5名となっています。
プロ野球ドラフト会議のこれまでの歴代最多指名選手は、以下の通りです。
プロ野球ドラフト会議のこれまでの歴代最多指名選手
8球団
1989年 野茂英雄(新日鉄堺)近鉄(大洋、阪神、ヤクルト、ダイエー、オリックス、ロッテ、日本ハム)
1990年 小池秀郎(亜細亜大)ロッテ(入団拒否)(広島、中日、ヤクルト、阪神、西武、近鉄、日本ハム)
7球団
1995年 福留孝介(PL学園)近鉄(入団拒否)(巨人、中日、ヤクルト、日本ハム、ロッテ、オリックス)
2017年 清宮幸太郎(早実)日本ハム(ロッテ、ヤクルト、巨人、楽天、ソフトバンク、阪神)
6球団
1979年 岡田彰布(早大)阪神(ヤクルト、西武、南海、阪急、近鉄)
1985年 清原和博(PL学園)西武(中日、阪神、日本ハム、南海、近鉄)
2007年 大場翔太(東洋大)ソフトバンク(巨人、阪神、横浜、日本ハム、オリックス)
2009年 菊池雄星(花巻東)西武(中日、ヤクルト、阪神、日本ハム、楽天)
2010年 大石達也(早大)西武(阪神、広島、横浜、オリックス、楽天)
5球団
1986年 近藤真一(享栄)中日(ヤクルト、阪神、広島、日本ハム)
2007年 長谷部康平(愛知工大)楽天(中日、広島、ロッテ、西武)
2007年 佐藤由規(仙台育英)ヤクルト(中日、巨人、横浜、楽天)
2013年 松井裕樹(桐光学園)楽天(中日、DeNA、ソフトバンク、日本ハム)
2016年 田中正義(創価大)ソフトバンク(ロッテ、巨人、日本ハム、広島)
※2021年ドラフト会議までの情報です。
プロ野球ドラフト会議の仕組みと育成枠とは?~まとめ
今回は、プロ野球ドラフト会議の仕組みと育成枠とは何か、またこれまでの歴代最多指名選手はだれなのかについても見てきました。
プロ野球ドラフト会議は将来有望な選手が特定の球団に偏らないよう12球団の戦力が均衡するような仕組みとなっています。
育成枠とはドラフト会議120名未満の空き枠のことで、各球団は支配下登録ではない育成選手として獲得したい選手を指名することができます。
また、これまでの歴代最多指名選手は野茂英雄投手と小池秀郎投手の8球団です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント