各地区の予選を勝ち抜いた高校だけが甲子園の土を踏むことができる夏の甲子園に対して、春の選抜高校野球は”選抜”ということから出場校の選び方が今一つよくわからないという方もいらっしゃるかと思います。
出場枠は一般出場枠を中心に明治神宮大会枠や21世紀枠があってやや複雑な面もあります。
特に21世紀枠は春の選抜高校野球独特のもので、選ばれる基準も他の出場枠とはかなり性格が異なります。
また、出場校数も各都道府県から必ず1校というわけではなく、成績などによってかなりの格差が生じることもあるようです。
今回は、春の選抜高校野球の出場校数と選び方、21世紀枠の基準とはどんなものなのかを見ていきたいと思います。
春の選抜高校野球の出場校数
春の選抜高校野球の出場校数は32校です。
夏の甲子園と比較すると少ないとともに、都道府県が47あるのに出場校数は32校なのですから1校も甲子園に出場できない府県もかなり出てくることになります。
逆に、場合によっては複数の出場校が選ばれる都道府県もあります。
また、北海道と東京都のみ必ず1校は選抜されるシステムになっています。
ただし、例外として第100回大会など10年に一度の節目の年に開催される記念大会では、通常より多い34~36校が選抜されることになります。
春の選抜高校野球の出場校の選び方
春の選抜高校野球の出場校数はわかりました。
では、選び方はどのようになっているのでしょうか。
選考に関しては、毎年、1月下旬頃に選考委員会が開かれ、2024年の第96回大会からは下記のように一般出場枠の29校、明治神宮大会枠の1校、21世紀枠の2校の計32校が選出されます。
※2023年(第95回大会)までは一般出場枠28校、明治神宮大会枠1校、21世紀枠3校の計32校
32の出場校は、次の3つのいずれかの出場枠に分かれます。
春の選抜高校野球の出場枠と出場校数
一般出場枠(29校)
明治神宮大会枠(1校)
21世紀枠(2校)
※2024年(第96回大会)~
選考委員は高校・大学など野球部の元指導者や元新聞記者、21世紀枠は他競技の元オリンピック選手や元アナウンサーなどの特別選考委員で構成され、21世紀枠、一般選考枠の順で選考が行われます。
では3つの出場枠について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
一般選考枠
一般出場枠は29校で、全国10地区のそれぞれ出場枠が設けられています。
前年の秋季大会の成績を参考に選出されますが試合内容も考慮され、秋季大会の成績が上のチームより下のチームが選出される「逆転現象」が見られる場合もあります。
一般出場枠の地区と出場枠一覧
北海道:1枠
東北:3枠
関東・東京:6枠(関東4・東京1+追加1)
北信越:2枠
東海:3枠
近畿:6枠
中国・四国:4枠(中国2・四国2)
九州:4枠
※2024年(第96回大会)~
明治神宮大会枠
明治神宮大会枠は1校で、2003年の第75回大会から設けらえています。
明治神宮大会枠とはその名の通り、毎年11月に開催されている明治神宮野球大会で優勝したチームに与えられる枠です。
通常は1校ですが、記念大会では優勝校だけでなく準優勝校も加えた2枠に増えます。
21世紀枠
21世紀枠とは、21世紀最初の大会となった2001年の第73回大会から加わった出場枠であることから、この名が付きました。
21世紀枠の出場校は2校選出されますが、内訳は東日本(東海・北信越から東)1校、西日本(近畿から西)1校、計2校が選出されます。
選び方は、まず各都道府県の高野連が推薦校を1校を選出し、次に各地区(全国9地区 ※関東・東京は1地区)で1校ずつに絞られます。
そして、最後に各高野連の推薦理由を考慮しながら2校が出場校に選出される仕組みになっています。
※2024年(第96回大会)~
春の選抜高校野球の出場校~21世紀枠の基準とは?
ここで、21世紀枠についてもう少し詳しく触れておきたいと思います。
21世紀枠とは部員不足や練習するためのグラウンドがない、豪雪地帯で思うような練習ができないといった中でがんばったり、ボランティア活動など野球以外で地域に役立つ取り組みを評価して選出される高校のことをいいます。
こうした他校の模範ともいえるような取り組みを行っている高校にも甲子園出場のチャンスが広がるようにとのことで始まりました。
なので、21世紀枠は一般出場枠と明治神宮大会枠の出場枠ほど、成績が重要視されないという見方もできます。
とはいえ、ある程度の成績は必要で、各都道府県の秋季大会で参加校数が128校を上回る都道府県ではベスト32、それ以外の県ではベスト16以上の成績を残すことが21世紀枠の基準です。
主催者の毎日新聞では春の選抜高校野球の21世紀枠の選考基準を以下のように定めています。
選抜高校野球 21世紀枠の選考基準とは
(1)秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)が対象。
(2)以下の推薦例のいずれかに当てはまる学校。
▽少数部員、施設面のハンディ、自然災害など困難な環境の克服
▽学業と部活動の両立
▽近年の試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない
▽創意工夫した練習で成果を上げている
▽校内、地域での活動が他の生徒や他校、地域に好影響を与えている。毎日新聞「選抜高校野球 21世紀枠の選考基準とは」より引用
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春の選抜高校野球の出場校数と選び方~まとめ
今回は、春の選抜高校野球の出場校数と選び方、21世紀枠の基準とはどんなものなのかを見てきました。
春の選抜高校野球の出場校数は32校で、選び方は前年の秋季大会を参考にしながら一般出場枠(29校)、
明治神宮大会枠(1校)、21世紀枠(2校)を選考委員会が選出していきます。
※2024年(第96回大会)~
春の選抜高校野球では1校も甲子園に出場できない府県もあれば、逆に複数の出場校が選ばれる都道府県もあります。
こうした複数の出場校が選ばれる理由は、一般出場枠を獲得した都道府県がさらに明治神宮大会枠と21世紀枠を獲得するためです。
また、21世紀枠の基準とは成績だけでなく、野球以外でも他校の模範ともいえるような取り組みをしている高校を対象としています。
あくまでも成績のみで
甲子園出場が決まる夏の甲子園に対して、春の選抜高校野球では成績以外の部分も評価される仕組みになっています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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