甲子園では春と夏、年に2回高校野球の全国大会が開催されますが、試合終了後には負けた高校が土を持ち帰るのが慣習となっています。
多ければ1日に4試合行われますから、持ち帰りする土の量もかなりの量になるはずです。
この甲子園の土はどこから持ってきていて、季節によって入れ替えがあるということもあまり知られていないのではないでしょうか?
そこで今回は、甲子園の土はどこからくるのか、また入れ替えがあるから春と夏で違いがあることなども見ていきます。
甲子園の土はどこからくる?
甲子園の土はどこから持ってきているのか、筆者は以前はどこか1か所からまとめて運んできているのだろうと思っていました。
ところが、実際には数か所から運ばれてきた数種類の土をブレンドしていることがわかりました。
甲子園の土の産地は、岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山などで、その年によって変わります。
以前は淡路島の土が使われていた時期もあったとのことです。
また土以外に砂もブレンドされており、砂の産地の変遷は甲子園浜及び香櫨園浜社有地、瀬戸内海産の砂浜、京都府城陽の国内の他、なんと国外の中国福建省の砂も使われていました。
これだけ多くの土と砂を使っているとは、正直言ってとても驚きました。
おそらく相当、緻密な計算の上で、あの美しい甲子園のグランドが出来上がっているんでしょう。
出来上がるまでの苦労は、想像するだけでもかなりのものだろうと思われます。
・黒土の産地
岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山 などの土をブレンドしている。(毎年決まっているわけではない。)
・砂の産地の変遷
甲子園浜及び香櫨園浜社有地 ~ 瀬戸内海産の砂浜 ~ 中国福建省 ~ 京都府城陽阪神甲子園球場公式サイトより引用「甲子園球場について Q&A その他」
甲子園の土は入れ替えがあるから春と夏で違いがある?
ところで、甲子園の土が季節によって入れ替えがあるということをご存知の方は、そう多くはないかと思います。
なんと甲子園の土と砂は、総入れ替えこそないものの季節によって入れ替えがなされているのです。
土や砂は、その産地によって保水性や硬さなどが異なるためにその季節に合わせてどこの土や砂をどれだけ使うかを決めています。
水はけのよさで知られる甲子園の土ですが、このあたりの混ぜ具合にも秘密がありそうです。
例えば雨が多い春は砂を多めにブレンドしたり、夏はボールを見やすいようにと黒土を多めにブレンドしたりとその配慮は気づきにくいですが、まさに熟練した職人さんの技といえるでしょう。
・黒土と砂の割合
春は雨が多いため砂を多めに、夏はボール(白球)を見易くするために黒土を多くブレンドしている。阪神甲子園球場公式サイトより引用「甲子園球場について Q&A その他」
甲子園の土~春と夏ではブレンドに違い
甲子園の土は季節の雨量や太陽光量などを考慮して、春と夏では土と砂のブレンドに違いがあります。
春は白砂を多く夏は黒土を多く配合していますが、大まかな目安は以下の通りです。
春 ⇒ 黒土5.5:白砂4.5
夏 ⇒ 黒土6:白砂4
このブレンドの絶妙なバランスがグランドの水はけや見やすさ、美しさにつながっていることは間違いないでしょう。
甲子園の土はなくならないの?
甲子園の土は、高校野球の大会が始まると毎試合、毎日のように負けた高校が土を持ち帰るので相当な量の土が消費されているはずです。
足りなくなったり、なくなるということはないのか疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。
しかし、甲子園の土は甲子園球場を管理する阪神園芸さんが十分な量を補充しているのでなくなることはありません。
補充している量は相当多いようで、高校球児が持ち帰りする土の量も全体からするとごく少量なので大丈夫とのことです。
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甲子園の土はどこから?~まとめ
今回は、甲子園の土はどこからくるのか、また入れ替えがあるから春と夏で違いがあることなども見てきました。
甲子園の土は岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山などが産地で、土以外に砂もブレンドされています。
また、季節に合わせて入れ替えがあり、春は砂を多めにブレンドしたり、夏は黒土を多めにブレンドしています。
甲子園球場の水はけのよさは有名で、緻密な計算とまさに熟練した職人さんの技によって実現しています。
”甲子園の土”というスペシャル感は、今後も高校球児の憧れであり続けることでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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