箱根駅伝には総合優勝の他、往路優勝や復路優勝、完全優勝とさまざまな優勝があって、最後にゴールのテープを切っても総合優勝とはならないという、知っていないと「?」な現象が起こりえます。
総合優勝の決め方とはどうなっているのか、また往路優勝や復路優勝との違いは何なのでしょうか?
完全優勝がどんなものなのか、その記録も気になります。
今回は、箱根駅伝の総合優勝の決め方や往路復路優勝との違い、完全優勝の記録などについて見ていきます。
箱根駅伝の総合優勝の決め方とは?
箱根駅伝は、1月2日に走る往路(5区間)と1月3日に走る復路(5区間)の全10区間で競います。
1月2日の往路をトップでフィニッシュしたチームが往路優勝、1月3日の復路をトップでフィニッシュしたチームが復路優勝となります。
箱根駅伝の総合優勝の決め方とは往路で優勝したか復路で優勝したかではなく、往路復路を合わせた全10区間を最も速いタイムで走ったチームが総合優勝となります。
往路優勝:1~5区の最短記録チーム
復路優勝:6~10区の最短記録チーム
総合優勝:1~10区の最短記録チーム
つまり往路優勝しようが復路優勝しようが、優勝の決め方として全10区間の合計タイムがトップでなければ総合優勝とはならないわけです。
実際に過去には下記のように往路と復路のどちらでも優勝せず総合優勝したという例もこれまで9回あります。
往路と復路のどちらでも優勝せず総合優勝したチーム
1921年(第2回):明治大学(早稲田大学・東京高等師範学校)
1932年(第13回):慶應義塾大学(日本大学・早稲田大学)
1943年(第22回):日本大学(慶應義塾大学・専修大学)
1974年(第50回):日本大学(東京農業大学・大東文化大学)
1982年(第58回):順天堂大学(日本体育大学・早稲田大学)
1995年(第71回):山梨学院大学(早稲田大学・中央大学)
2006年(第82回):亜細亜大学(順天堂大学・法政大学)
2019年(第95回):東海大学(東洋大学・青山学院大学)
2021年(第97回):駒澤大学(創価大学・青山学院大学)
※カッコ内は左から往路優勝・復路優勝チームです。
※2024年(第100回大会)終了時点
箱根駅伝の総合優勝と往路復路優勝の違い
箱根駅伝の総合優勝と往路復路優勝との違いをさらに掘り下げて見ていきましょう。
まず、総合優勝と往路優勝の違いですが、1月2日の往路をトップでフィニッシュしたチームは単に往路優勝というだけで総合優勝との違いは明らかでここまではシンプルです。
わかりにくくなるのは1月3日の復路で、以下のような復路一斉スタートという繰り上げスタートがその原因です。
1.復路のスタートは往路で1位から10分以内にフィニッシュしたチームは時差出発
2.往路で1位から10分以上遅れてフィニッシュしたチームは1位チームのスタートから10分後に同時出発
つまり、往路のゴールで1位から10分を超えてフィニッシュしたチームは、復路では午前8時10分に同時出発となり「復路一斉スタート」あるいは「繰り上げ一斉スタート」などと呼ばれています。
復路一斉スタートは交通規制の時間が長くならないようにするために行われます。
1の場合は時差出発なので往路のタイムが反映されており、復路優勝のチームがそのまま総合優勝となります。
しかし、2の場合はトップのスタートから10分後に同時出発となるため、10分後に同時出発したチームが復路優勝した場合は必ずしも総合優勝とはなりません。
同時出発が行われた場合も繰り上げスタートと同様に繰り上げた分の時間差が加算されることになり、総合優勝=復路優勝とは限らないという現象が起こります。
あくまでも往路のタイムと復路のタイムを合わせたタイムが最短のチームが総合優勝となります。
復路一斉スタートというルールが総合優勝=復路優勝とは限らない、つまり総合優勝と復路優勝の違いを生んでいるといえます。
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箱根駅伝の完全優勝の記録
往路優勝と復路優勝のチームが同じである場合、あるいは1区から10区までずっと1位を維持しての優勝は完全優勝と呼ばれます。
完全優勝と呼ぶにふさわしく、まさに文句なしの完全な優勝といえます。
なかなか難しい記録のようにも思えますが、過去にはかなり達成されており、最多記録は日本大学と中央大学の9回です。
二桁まであと一歩に迫っていますが、1~3位までは最後に記録されてからかなり時間が経過しており二桁に届くまでは少し時間がかかるかもしれません。
箱根駅伝の完全優勝回数ランキングは、以下の通りです。
箱根駅伝の完全優勝回数ランキング
1位タイ:9回
日本大学(1935~1938・1940・1958・1965・1967・1968年 第16~19・21・34・41・43・44回大会)
中央大学(1948・1950・1951・1953・1955・1956・1961・1962・1964年 第24・26・27・29・31・32・37・38・40回大会)
3位タイ:5回
早稲田大学(1927・1933・1954・1984・1993年 第8・14・30・60・69回大会)
日本体育大学(1969・1970・1972・1977・1980年 第45・46・48・53・56回大会)
青山学院大学(2015~2017・2022・2024年 第91~93・98・100回大会)
6位タイ:3回
順天堂大学(1988・1989・2007年 第64・65・83回大会)
東洋大学(2009・2012・2014年 第85・88・90回大会)
駒澤大学(2000・2004・2023年 第76・80・99回大会)
9位タイ:1回
大東文化大学(1975年 第51回大会)
山梨学院大学(1994年 第70回大会)
神奈川大学(1998年 第74回大会)
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箱根駅伝の総合優勝の決め方とは?~まとめ
今回は、箱根駅伝の総合優勝の決め方や往路復路優勝との違い、完全優勝の記録などについて見てきました。
箱根駅伝の総合優勝の決め方は、往路優勝か復路優勝かではなく往路復路を合わせた全10区間を最も速いタイムで走ったチームが総合優勝となります。
総合優勝と往路優勝の違いは1月2日の往路をトップでフィニッシュしたチームは単に往路優勝というだけで、総合優勝と復路優勝の違いは復路一斉スタートという繰り上げスタートがあるため総合優勝=復路優勝とは限らないということです。
往路優勝と復路優勝のチームが同じである場合、あるいは1区から10区までずっと1位を維持しての優勝は完全優勝と呼ばれますが、過去にかなり達成されており完全優勝の最多記録は日本大学と中央大学の9回です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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