最近のプロ野球選手は以前ほど所属する球団に対するこだわりは少なくなったように思いますが、それでもトレードともなれば選手によっては大きな話題になります。
FA(フリーエージェント)や自由契約、ポスティングシステムなど移籍に関してはいろいろな制度がありますが、FAとの違いや拒否権などトレードのルールはどうなっているのでしょうか?
今回は、プロ野球のトレードのルールとはどんなものなのか、またFAとの違いや拒否した場合はどうなるのかについても見ていきます。
プロ野球のトレードのルールとは?
プロ野球のトレードとは、球団同士が合意の上で選手を交換・譲渡することをいいます。
主に戦力補強を目的に行われますが、FA(フリーエージェント)や自由契約、ポスティングシステムでの移籍はトレードには含まれません。
トレードは通常、選手の意思に関係なく球団の意向によって行われますが、時には選手の意思を汲んでトレードされることもあります。
日本のプロ野球(NPB)でのトレードの主なルールは、以下のようになっています。
・トレード期限は各球団が支配下選手登録できる7月31日まで(2020年は9月30日・2021年は8月31日まで)
※ただし、トレード禁止期間であってもトレード該当選手がウェイバー公示(契約期間中にチームが選手との契約や支配権を破棄すること)されていればトレード可能
・トレード選手がトレード時に1軍登録されている場合は出場選手登録を要抹消
・新人選手は三角トレード禁止
また、トレードには単純な選手同士の交換だけでなく、以下のようなさまざまなトレードがあります。
トレードの期間については、こちらの記事も合わせてどうぞ↓
プロ野球のトレード①~交換トレード
選手同士を交換するトレードで、トレードと聞いて一般的にイメージされるのがこの交換トレードなのではないでしょうか。
交換トレードは1:1に限らず、トレードする選手に実力差が大きい場合は1:2、1:3など複数の選手をトレードして合意に至ることも珍しくありません。
また、時には選手だけではなく金銭を加えて実力差を補うケースもあります。
プロ野球のトレード②~金銭トレード
金銭トレードは読んで字のごとく、選手同士ではなく金銭を支払うことによるトレードをいいます。
トレードに見合った選手が見つからない場合や、いろいろな事情で球団が金銭を必要としている場合などで金銭トレードが行われます。
プロ野球のトレード③~三角トレード
トレードは通常2球団で行われることが多いですが、時には3球団で行われることもあります。
このようなトレードが三角トレードですが、日本のプロ野球(NPB)では上述のように新人選手の三角トレードは禁止されていますが、アメリカ・メジャーリーグでは可能です。
プロ野球のトレード④~無償トレード
最も理解しがたいトレードが、選手や金銭など何の代償もなしにタダで選手を譲渡する無償トレードです。
過去には2003年、当時のダイエーホークスの小久保裕紀選手が読売ジャイアンツに無償トレードされた例が思い出されます。
当時の小久保選手はダイエーホークスのバリバリの主力選手だったので、だれもが信じられない気持ちでした。
プロ野球のトレードのルール~FAとの違い
プロ野球で球団を移籍するには、ひと昔前まではトレードが一般的でしたが、最近は新しい規定が生まれてトレード以外にも移籍の選択肢が広がっています。
現在のプロ野球でトレード以外で球団を移籍する時によく聞くのが、FA(フリーエージェント)です。
同じ移籍でもトレードとFA(フリーエージェント)には、大きな違いがあります。
すでに述べたように、トレードは通常、選手の意思に関係なく球団の意向によって行われます。
しかし、FA(フリーエージェント)は球団と選手との間に所属契約がなく(自由契約)、選手は12球団どこの球団とも自由に契約交渉をすることができます。
言い換えれば、移籍においてはトレードは球団側の権利、FA(フリーエージェント)は選手側に球団を選ぶ権利があるというのが大きな違いといえます。
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プロ野球のトレードのルール~拒否した場合
ここまで何度か触れてきましたが、トレードは通常、選手の意思に関係なく球団の意向によって行われます。
そもそも選手は入団する際には球団と「統一契約書」を交わした上でプロ野球選手になります。
つまり、選手は入団時に自分の意思とは関係なしに球団の意向でトレードされることに同意しているわけです。
第21条 (契約の譲渡) 選手は球団が選手契約による球団の権利義務譲渡のため、日本プロフェッシ
ョナル野球協約に従い本契約を参稼期間中および契約保留期間中、日本プロフェッショナル野球組織に
属するいずれかの球団へ譲渡できることを承諾する。日本プロ野球選手会公式ホームページから引用
そして、もし選手がトレードを拒否した場合、主に残されているのは2つの道です。
ひとつは球団にどうしても移籍したくない旨を伝えて残留を申し出て承諾される方法で、過去にはこれが通ったこともあります。
もうひとつは球団が残留を受け入れなかった場合ですが、この場合は任意引退し退団するしかありません。
過去には、1985年オフの定岡正二投手(読売ジャイアンツ)のトレード拒否からの引退がありました。。
どちらのケースもチームに深い愛着を持っているからこそのトレード拒否であり、アメリカ・メジャーリーグではトレード拒否権ともいえる「ノートレード条項」という契約もあり、今後は「統一契約書」も内容が変わっていく可能性もありそうです。
しかし、現状では、日本のプロ野球(NPB)ではFA(フリーエージェント)の権利を得るまでは選手にはトレード拒否の権利はないというルールになっています。
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プロ野球のトレードのルールとは?~まとめ
今回は、プロ野球のトレードのルールとはどんなものなのか、またFAとの違いや拒否した場合はどうなるのかについても見てきました。
プロ野球のトレードとは球団同士が合意の上で選手を交換・譲渡することですが、主なルールは以下の通りです。
・トレード期限は各球団が支配下選手登録できる7月31日まで(2020年は9月30日・2021年は8月31日まで)
※ただし、トレード禁止期間であってもトレード該当選手がウェイバー公示されていればトレード可能
・トレード選手がトレード時に1軍登録されている場合は出場選手登録を要抹消
・新人選手は三角トレード禁止
FAとの違いとしては、移籍においてトレードは球団側の権利、FAは選手側に球団を選ぶ権利があるのが大きな違いで、選手はトレードを拒否した場合は任意引退し退団するしかありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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