プロ野球は新型コロナウイルスの影響でにより、2020年は延長戦は10回まで、2021年はさらに延長戦はなしで9回打ち切りが決定しています。
となると予想されるのは引き分け数の増加で、案の定、開幕1か月でかなりのペースで引き分け試合が出ています。
いったいシーズンが終わる頃には引き分けが何試合になるのか、またこれまでの最多記録がいくつなのかも気になります。
今回は、プロ野球の引き分けの最多記録はいくつでチームはどこなのか、また再試合はやらないのかなどを見ていきます。
プロ野球の引き分けの最多記録
プロ野球の1シーズンの引き分けの最多記録は2021年の102試合(全858試合)で、多かった理由は新型コロナウイルスの影響で延長戦なしの9回打ち切りのルールとなったためです。
次に多かったのは2012年の74試合(全864試合)で、前年2011年の東日本大震災の影響により試合開始から3時間30分経過後は新たな延長イニングに入らない時間制限がかかっていました。
ちなみに2020年のレギュラーシーズンの試合数は新型コロナウイルスの影響で通常より少ないセ・パ両リーグ合わせて720試合で延長戦は10回までに短縮され、このうち延長戦に入ったのは60試合、引き分けは40試合でした。
2021年は試合数こそ通常の858試合に戻ったものの、延長戦なしで9回打ち切りとなり、すでに引き分け試合が多く出ており、今シーズンは最終的にはプロ野球の引き分けの最多記録を大幅に上回りそうなペースです。
ちなみに、引き分けの連続試合記録では3試合連続引き分けが日本記録で、最近では2021年4月のオリックスバファローズなど、これまでに何球団か記録しています。
2008年には西武ライオンズ対福岡ソフトバンクホークスで、”同一カード3試合連続引き分け”という珍しい記録もあります。
プロ野球の引き分けの最多記録~チーム
チームとしてのプロ野球の引き分けの1シーズン最多記録は、2021年シーズンにソフトバンクホークスが記録した21引き分けです。
続いて多かったのがやはり2021年シーズンで、巨人と日本ハムファイターズが20引き分けを記録しています。
2021年シーズンは143試合でしたが、新型コロナウイルスの影響もあって延長戦なしの9回打ち切りのシーズンとなったため、必然的に引き分けが多くなりました。
続く3番目に多かったのが1982年に中日ドラゴンズが記録した19引き分けです。
この年は130試合で現在より13試合も試合数が少なかった時代でしたが、時間制限があったのが引き分けの多さにつながった原因と見られます。
また、リーグ優勝は勝ち数ではなく勝率で決まるため、この引き分けの多さが中日ドラゴンズに有利に働き64勝47敗19引き分けで優勝しています。
プロ野球の引き分けの最多得点記録
もうひとつ珍しい引き分け記録では、最多得点記録というのがあります。
最多得点記録は13-13でこれまでに2試合で記録されています。
12-12など両チーム10点以上の得点で引き分けた試合も多数あります。
プロ野球の引き分けの最多得点記録は、以下の2試合です。
プロ野球の引き分けの最多得点記録:13-13
1953年3月21日 西鉄ライオンズ vs 近鉄パールズ戦(平和台球場・延長10回)
1980年6月6日 南海ホークス vs 西武ライオンズ戦(大阪球場・9回時間切れ)
プロ野球の引き分け~再試合はやらないの?
ところで、引き分けという考え方は、もともと野球にはなかったもので、アメリカメジャーリーグ(MLB)では今でも原則的にはイニングも時間も無制限で行われています。
しかし試合があまりにも長引いた場合や雨などの悪天候で試合が続行できないと判断された場合には、再試合が行われることもあります。
日本のプロ野球の場合はどうかというと、1999・2000年にセ・リーグで引き分け再試合が行われた時期はあったものの、以降は基本的に引き分け再試合は実施されていません。
上述したように2020・2021年シーズンは新型コロナウイルスの影響で異例の特別ルールとなっていますが、2013年以降は延長戦は12回まで時間無制限で行われています。
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プロ野球の引き分けの影響
ここまで、プロ野球の引き分けの最多記録について見てきましたが、引き分けが増えると選手個人にはどういう影響があるでしょうか。
基本的に引き分けということは勝敗がつかないということですから特に投手の記録には大きな影響があるでしょう。
引き分けが多くなると、単純に考えられるのは投手の勝利数とセーブ数の減少です。
ともに勝った試合でしか記録されませんから当然のことで、延長10回までだった2020年シーズンは試合数が120で、パ・リーグの最多勝は11勝(ソフトバンク・石川柊太、ソフトバンク・千賀滉大、楽天・涌井秀章)、セ・リーグは14勝(巨人・菅野智之)でした。
143試合に戻った2021年シーズンはパ・リーグの最多勝は18勝(オリックス・山本由伸)、セ・リーグは13勝(青柳晃洋・阪神、九里亜蓮・広島)でした。
また、同様にセーブも同点で迎えた最終回にクローザーが登板して0点で抑えてもセーブはつかないので、セーブ数は減少すると予想されます。
投手の中で影響が少ないと見られるのがホールドで、ホールドは中継ぎ投手がリードを保ったまま降板した場合には勝敗にかかわらず引き分けになってもつくので、ホールド数への影響はあまりないと考えられます。
延長戦なしで9回打ち切りとなれば監督のリリーフ投手の起用法も難しく、クローザーが0点で試合を締めても盛り上がることなくなんとなく試合が終了することになります。
プロ野球の引き分け最多記録~まとめ
今回は、プロ野球の引き分けの最多記録はいくつでチームはどこなのか、また再試合はやらないのかなどを見てきました。
プロ野球の1シーズンの引き分けの最多記録は2021年の102試合(全858試合)、チームとしては2021年シーズンにソフトバンクホークスが記録した21引き分け(全143試合)です。
また再試合は1999・2000年にセ・リーグで引き分け再試合が行われた時期はあったものの、以降はありません。
アメリカメジャーリーグ(MLB)では原則的にはイニングも時間も無制限で試合が行われ再試合が行われることもありますが、日本のプロ野球は時間無制限ではあるものの延長戦は12回までのためどうしても引き分けが出てしまいます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※記録など情報は2022年シーズン終了時点のものです。
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