日本アマチュア野球の最高峰の大会といわれているのが都市対抗野球大会ですが、歴史も古く補強選手制度など他にはないユニークな制度もあり根強い人気を集めています。
また、都市を代表したチームによる野球大会ということで各地の特色が出た応援合戦も魅力的で楽しみのひとつとなっています。いったいどんな野球大会なのか、延長のルールなど仕組みはどうなっているのでしょうか?
今回は、都市対抗野球の補強選手とはどんな制度なのか、また延長のルールなど仕組みをわかりやすくまとめていきたいと思います。
都市対抗野球の仕組み
都市対抗野球の歴史は古く、1927年(昭和2年)8月3日に第1回大会が12チームによって神宮球場で開催されました。当時はプロ野球はまだなく東京六大学などの学生野球が人気でしたが、毎日新聞の記者が地域に根差した野球大会の開催を発案しました。
予選を勝ち抜いた各都市を代表するチームがアマチュア野球日本一を競うというもので、仕組みとしては1次予選→2次予選→本戦という流れで行われます。実力差が大きいという理由からクラブチームは1次予選から、企業チームは1次予選が免除され2次予選から出場するのが一般的となっています。
また、大会は指名打者制度(DH製)が採用され、コールドゲームあり、さらに延長戦にはタイブレーク制度が導入されています。
都市対抗野球の仕組みと主な試合形式・ルール
- 1次予選(4~5月・単独または複数の都道府県単位)
上位1~数チームが2次予選に進出 - 2次予選(5~6月・12の地方単位)
12の地区から31チームが本戦に進出 - 本戦(7月中旬12日間東京ドームで開催・32チーム)
2次予選を勝ち抜いた31チームと前回大会優勝チームの計32チームによるトーナメント方式
※ただし、2020・2021年は新型コロナウイルスや東京オリンピック開催のため11月開催 - コールドゲーム
7回、または8回終了時点で10点差以上の場合は、新しいイニングには入らない(決勝戦は除く) - 延長戦
あり(タイブレーク制度・後述)
都市対抗野球の補強選手とは?
補強選手制度は、他の野球大会には見られない都市対抗野球独自の制度です。補強選手制度とは各地区の代表チームが同じ地区の1次・2次予選で敗退したチームの中から最大3名までレンタル(補強)できるという制度で、弱点のカバーとともに選ばれた選手にとっても本戦に出場するチャンスが得られるというメリットがあります。
そして、補強に選ばれた選手は協力出場しなければならないとされているため、基本的に拒否することはできません。補強選手制度は都市対抗野球が地域(都市)に根差した野球大会という意味合いからも、大変ユニークなシステムといえるでしょう。
なお、補強選手制度の採用は義務ではなく、また前年優勝チームは補強選手制度は使用できません。
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都市対抗野球の延長のルール
都市対抗野球の延長戦にはタイブレーク制度が導入されています。都市対抗野球にタイブレーク制度が初めて導入されたのは2003年のことで、延長13回以降でかつ試合時間が4時間を経過しているという条件で1死満塁から試合が行われました。
その後、2009年からは試合時間の長さという条件は撤廃されましたが、延長何回から適用するかは何度か変更があり2011年から延長12回以降からの適用となっています。(2018年からは無死一・二塁から)
都市対抗野球の延長のルール
2018年~
延長12回以降、試合時間にかかわらず無死一・二塁から
※ただし、2020・2021年は新型コロナウイルスの影響により以下のような特例が採用されています。
2020年
延長10回以降、試合時間にかかわらず1死満塁から(決勝戦は4時間を超えた場合)
2021年
延長10回以降、試合時間にかかわらず1死満塁から
ただし、代表決定戦のみタイブレーク制度はなく延長無制限というルールがあるため、2021年10月3日の東海地区2次予選第4代表決定戦・西濃運輸vsジェイプロジェクト戦では延長18回までもつれ込み、試合時間は6時間55分にも及びました。(試合は5―4で西濃運輸の勝ち)
この試合時間は都市対抗野球の最長記録というだけでなく、プロ野球の最長記録6時間26分も上回る記録となりました。
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都市対抗野球の補強選手や延長のルール~まとめ
今回は、都市対抗野球の補強選手とはどんな制度なのか、延長のルールなど仕組みをわかりやすくまとめてみました。
都市対抗野球の仕組みとしては1次予選→2次予選→本戦という流れで、大会は指名打者制度(DH製)が採用され、コールドゲームあり、さらに延長戦にはタイブレーク制度が導入されています。
補強選手制度とは各地区の代表チームが同じ地区の1次・2次予選で敗退したチームの中から最大3名までレンタル(補強)できるという他では見られない都市対抗野球独自の制度です。
都市対抗野球の延長戦には2003年からタイブレーク制度が導入され、試合時間の長さに関係なく、延長12回以降無死一・二塁からの適用となっています。(2020・2021年は新型コロナウイルスの影響により特例)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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