ボクシングの計量は試合の当日ではなく、現在は前日計量がスタンダードになっています。
しかし、前日計量だとそれまでの減量苦もあって、計量後は試合までに飲んだり食べたりで体重が増えてしまうことが少なくありません。
ボクシングでは公平を期するためにせっかく細かく体重別に階級が決められているのに、計量が前日なのはなぜなのでしょうか?
また、減量が足りずに計量失敗したらどうなるのかも気になります。
今回は、ボクシングの計量が前日なのはなぜなのか、また減量が足りずに計量に失敗したらどうなるのかなども見ていきたいと思います。
ボクシングの計量が前日なのはなぜ?
プロボクシングではかつては当日計量でしたが、現在は前日計量がスタンダードとなり試合までの時間が当日計量より非常に長くなりました。
そのため、計量後に飲んだり食べたりして試合当日には体重がリバウンド(体重戻し)してしまうことが度々見られます。
中には計量後に体重を5kg以上も戻して試合に出るということも実際にありました。
これでは何のために階級を設けているのかわからないという見方もできます。
そしてボクシングの計量がなぜ前日に行われるのか、その理由は事故を防ぐためです。
計量をパスするためのボクシングの減量は非常に過酷です。
厳しい減量の結果、体脂肪を極限まで落としに落とし中には脱水症状の状態になっている選手もいます。
このようなエネルギーがほとんど残っていない状態で試合をしたらどうなるでしょうか。
言うまでもなく、このようなコンディションで試合を行えば、非常に危険で事故が起こる可能性は高まります。
当日計量だった時代に世界戦で死亡事故が度々発生したため、安全を重視して現在の前日計量になったという経緯があります。
1日でそんなに違うものなのかという疑問も持つかもしれませんが、たった1日で体の状態はまったく変わります。
ボクシングの計量後のルール
ボクシングのルールでは計量後の体重に関してのルールは特に規制はなく、現行では計量をパスしたら体重を元に戻しても特に問題はありません。
つまり計量の時だけパスすればよいというルールになっており、試合の時の体重がその階級より重くてもOKということになります。
今後、極端なリバウンド(体重戻し)で選手の公平性が著しく損なわれたり、リバウンド(体重戻し)が原因で健康が損なわれたり事故が発生したりするようなことがあれば、当日計量に戻したりリバウンド(体重戻し)の上限を設けるなどの改正があるかもしれませんが、現状はそういった動きは出ていません。
※IBFでは前日計量に加えて当日計量も行われ前日計量から10ポンド以上増量した場合は体重超過した場合と同じ措置となります。
ボクシングの計量~減量失敗したらどうなる?
ボクシングの計量が前日なのはなぜなのかはわかりましたが、もし減量に失敗し体重超過となった場合はどうなるのでしょうか?
アマチュア・ボクシングにおいては失格で試合中止となる場合がほとんどですが、プロボクシングで計量失敗の場合はケースバイケースです。
プロボクシングでは1回目の計量に失敗した場合は2時間後に再計量となりますが、再計量でも失敗した場合には罰金が科された上で試合が行われることが多く、試合が中止されることはほとんどありません。
プロの場合は興業という面もあるので、なかなか試合中止にはしにくい事情もあるのでしょう。
日本では以前、減量が足らず計量に失敗した選手に罰則として重いグローブを装着して試合を行うグローブハンデが行われていましたが、現在では廃止されています。
ボクシングの計量失敗~世界タイトルマッチの場合
世界タイトルマッチで、減量が足らず計量に失敗した場合はどうでしょうか?
試合はほとんどの場合行われますが、チャンピオンが計量失敗した場合と挑戦者が計量失敗した場合に分けて見ていきます。
チャンピオンが計量失敗した場合
王座は剥奪となり、挑戦者が勝った場合は新チャンピオン誕生、チャンピオンが勝った場合は王座は空位となります。
挑戦者が計量失敗した場合
挑戦権は剥奪となり、チャンピオンが勝った場合は防衛、あるいはノンタイトル戦となります。
ボクシングの計量が前日なのはなぜ?~まとめ
今回は、ボクシングの計量が前日なのはなぜなのか、また減量が足りずに計量に失敗したらどうなるのかなども見てきました。
ボクシングの計量がなぜ前日に行われるのか、その理由は選手の体力を回復させて事故を防ぐためです。
当日計量だった時代に世界戦で死亡事故が度々発生したため、安全を重視して現在の前日計量になりました。
ボクシングのルールでは計量後の体重に関してのルールは特に規制はなく、試合の時の体重がその階級より重くても問題はありません。
また減量が足りずに計量に失敗した場合、プロボクシングではケースバイケースですが罰金を科すなどの上、試合が行われることが多く中止になることはほとんどありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
ドネアがリング上で前回より小さく見えたのは、前日計量以降10ポンド以上オーバーしてはいけないというIBFルールの為だったんですね。前回は体格の違いにびっくりしたけど、今回はリングに昇った二人の身体を見て「このドネアなら怖くない」と思いました。