いうまでもなく大相撲における番付最高位は横綱です。
優勝して当たり前の地位で常勝を義務付けられるとともに、それにふさわしい品格までも求められます。
しかし、他の番付とは異なり負け越しても休場しても降格はなく、一度その地位に就けば引退するまで横綱は横綱であり続けます。
そんな横綱ですが、引退するにあたって年齢など何か決められた条件はあるのでしょうか?
時折耳にする引退勧告という言葉も気になります。
今回は、大相撲の横綱引退に条件はあるのか、また引退の平均年齢と引退勧告の過去の例や無視した場合などについても見ていきます。
大相撲横綱引退に条件はある?
大相撲の横綱は番付最高位というだけでなく、一度その地位に就けば成績の良し悪しや出場するしないにかかわらず降格することはありません。
降格がないというのはちょっと信じられない規定で、他のスポーツや競技には見られない大相撲独特のものといっていいでしょう。
では横綱の引退はどうかというと、条件は特になく引退するしないは横綱自身の意思次第となっています。
逆に、引退した時が横綱の降格という解釈もできます。
それだけに横綱の責任は重大で常に優勝を義務付けられ、勝ち続けなければならない大きなプレッシャーがのしかかってきます。
大関までならケガや負け越しで陥落したとしても現役を続け再起することはできますが、横綱は勝てなくなったら引退するしかありません。
加えて横綱にはその地位にふさわしい品格も要求されます。
横綱としての成績が非常に悪い場合や休場の多い場合、また横綱としての品格に問題がある場合などは、横綱審議委員会(横審)が横綱に対して、「激励」「注意」「引退勧告」などを言い渡すことがありますが、いずれも拘束力はありません。
このように横綱は自ら進退を決めるのが、大相撲の慣習となっています。
大相撲横綱引退の年齢
大相撲の横綱引退の条件が、「引退勧告」などがあるにしても横綱自身の意思次第といことはわかりました。
では横綱引退の年齢は、どうでしょうか?
大相撲の横綱は、2019年1月場所を最後に引退した稀勢の里まで72人が誕生しています。(2021年1月現在)
そのうち現行の年6場所制になった1958年以降の第44代横綱栃錦から稀勢の里までの26人の横綱の引退の平均年齢を見ていきたいと思います。
26人の横綱の中には若いのに短命で終わった横綱や最年長では栃錦や千代の富士、白鵬の35歳も含まれますが、引退年齢の平均は30.7歳です。
この中には24歳の若さで引退した双羽黒、まだまだやれるのにいずれも不祥事で引退した朝青龍と日馬富士もというもったいない例もあります。
30歳という年齢は脂が乗り切った年齢である意味では全盛期ともいえる年齢にも思われますが、大相撲の横綱という重責のためか、引退の年齢は他の競技と比較するとやや早い印象を受けます。
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大相撲横綱の引退勧告の過去の例と無視した場合
上記の「激励」「注意」「引退勧告」の中で、「引退勧告」は最も重い決議で、大相撲の処分の中でも除名、解雇に次ぐ3番目に重い処分です。
拘束力はないものの言い渡された期日までに受け入れず引退しない場合、つまり引退勧告を無視した場合は、除名や解雇処分となってしまいます。
解雇や除名をされた場合は退職金も支給されず相撲界に残ることもできないので、実際には横綱が自ら引退を申し出ることになります。
拘束力はないといいながらも「引退勧告」を言い渡されれば、ほとんど引退以外に道はないというのが現実のようです。
また、大相撲横綱の引退勧告の過去の例としては、以下の2つの例があります。
大相撲横綱の引退勧告の過去の例
朝青龍(2010年初場所後)
暴行問題による引責
前田山(1949年10月大阪場所後)
病気を理由に途中休場したにもかかわらず、翌日から2日間に渡って日米野球を観戦したため
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大相撲横綱引退に条件はある?~まとめ
今回は、大相撲の横綱引退に条件はあるのか、また引退の平均年齢と引退勧告の過去の例や無視した場合などについても見てきました。
大相撲の横綱引退に特に条件はなく、引退するしないは横綱自身の意思次第です。
また、横綱が引退勧告を無視した場合は除名や解雇処分となってしまうため、実際には横綱が自ら引退を申し出ることになります。
大相撲横綱の引退勧告の過去の例としては、朝青龍(2010年初場所後)と前田山(1949年10月大阪場所後)の2つの例があります。
引退するしないも自分自身の意思、降格もないという特権を持つ横綱ですが、責任は重く常に優勝を義務付けられるとともに品格ももとめられます。
このような大きなプレッシャーがのしかかっているのも事実で、平均30.7歳というやや早い引退年齢になっているのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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