テニスは大きく硬式テニスと軟式テニスに分けることができますが、見た目でわかる違いはボールの色ぐらいといってもいいかもしれませんね。
しかし、硬式テニスと軟式テニスでは道具をはじめとして、ある意味では違うスポーツではないかと思えるほどの違いがあります。ボールの色以外にもルール、コート、ネットなど、どのような違いがあるのでしょうか?
今回は、ボールやルール、コート、ネットなどテニスの硬式と軟式の違いについて見ていきたいと思います。
テニスの硬式と軟式の違い
私たちが普段テニスと呼んでいるのは硬式テニスのことで、軟式テニスの場合は他にソフトテニスとも呼ばれたりしています。硬式と軟式というと、他のスポーツでは野球が真っ先に頭に浮かびますが、テニスの場合は野球の硬式と軟式よりも大きな違いが見られます。
早速、見ていきましょう。
テニスの硬式と軟式の違い①~ボール
テニスの硬式と軟式の違いというと、見た目にもまず思い浮かぶのがボールの違いです。硬式テニスボールは、ゴムの表面にフエルトをを貼り付けたもので、軟式テニスボールはゴム製です。
硬式テニスボールは主に黄色、軟式テニスボールは白などいろいろ、また硬式テニスボールは軟式テニスボールより硬くて反発も強くスピードとスピンに優れています。重さも硬式テニスボールは軟式テニスボールの約2倍です。
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テニスの硬式と軟式の違い②~ルール
テニスの硬式と軟式にはルールの違いもあります。まず違いとしてあげられるのが、セット獲得条件です。硬式テニスの場合は6ゲーム先取でセットを獲得となりますが、軟式テニスの場合は5ゲームマッチなら3ゲーム、7ゲームマッチなら4ゲーム、9ゲームマッチなら5ゲーム先取でセットを獲得となります。デュースになった場合、2点差をつける必要があるのは同じです。
また、硬式テニスと軟式テニスではスコアの数え方に大きな違いがあります。4ポイント先取でゲームを獲得するのは同じですが、硬式テニスの場合はスコアの数え方が0(ラブ)、15(フィフティーン)、30(サーティー)、40(フォーティ)であるのに対し、軟式テニスの場合は0(ゼロ)、1(ワン)、2(ツー)、3(スリー)とそのままカウントします。
デュース後は、軟式テニスの場合はサーブ側がポイントを取るとアドバンテージ・サーバー、レシーブ側がポイントを取るとアドバンテージ・レシーバーとカウントします。
セット獲得条件:硬式テニスは6ゲーム先取でセット獲得、軟式テニスは5ゲームマッチなら3ゲーム、7ゲームマッチなら4ゲーム、9ゲームマッチなら5ゲーム先取でセット獲得
スコアの数え方:硬式テニスは0(ラブ)、15(フィフティーン)、30(サーティー)、40(フォーティ)、軟式テニスは0(ゼロ)、1(ワン)、2(ツー)、3(スリー)
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テニスの硬式と軟式の違い③~コート・ネット
硬式テニスと軟式テニスはコートの広さは同じですが、ネットの高さに違いがあります。硬式テニスは91.4cm、軟式テニスは107cmで硬式テニスのネットと違いセンターストラップ(ネットの真ん中のベルト)は使用しません。
つまり、軟式テニスでは両端と真ん中のネットの高さが変わらないのに対して、硬式テニスでは15cm以上も違うことになります。これは、かなり大きな違いではないでしょうか。
ネットの高さ:硬式テニスは91.4cm、軟式テニスは107cmでセンターストラップなし
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テニスの硬式と軟式の違い④~ラケット
ボールの素材や硬さ・重さにも違いがあるので、ラケットにも違いが見られます。
大雑把ですが、硬式テニスのラケットは300g前後、軟式テニスのラケットは200g前後、ラケットに張るガットの硬さ(張る力)は硬式テニスのラケットは軟式テニスのラケットに比べて硬めで、軟式ラケットの約2倍ほどです。また、ラケット面の大きさも硬式テニスのラケットは軟式テニスのラケットより大きめになっています。
ラケットの重さ:硬式テニスは300g前後、軟式テニスは200g前後
ガットの硬さ(張る力):硬式テニスのラケットのほうが硬く、軟式ラケットの約2倍
ラケット面の大きさ:硬式テニス>軟式テニス
テニスの硬式と軟式の発祥と歴史の違い
テニスの歴史はたいへん古く、1つのボールを打ち合うという意味において起源は紀元前まで遡ります。16世紀頃になるとフランスで貴族の遊びとして定着し始め、この頃は”ジュ・ド・ポーム(掌の遊戯)と呼ばれていました。その後18世紀から19世紀にかけてヨーロッパの貴族の間で大流行しました。
テニスという言葉は、「(球を落とさないように)取ってみろ」という意味のフランス語の「トゥネス(Tenez)」に由来しているといわれています。しかし、硬式テニスと軟式テニスでは発祥も歴史もまったく異なります。
硬式テニスの発祥と歴史
硬式テニスの発祥と歴史は想像しているものより浅いものでした。上述のように、硬式テニスの発祥の地はフランスといってもいいと思いますが、ボールは当初は現在のように硬いフェルトで覆われていたわけではなく中空のゴムボールでした。
しかし、中空のゴムボールでは芝生上でイレギュラーなバウンドをすることがあり、フェルトを巻いたものが考案されました。19世紀後半、2種類のボールは長く併用されてきましたが、やがてフェルトカバーボールが主流となっていきました。そして、1877年第1回ウィンブルドン選手権が開催されたという歴史があります。
軟式テニスの発祥と歴史
軟式テニスの発祥と歴史は、私たち日本人にとっては非常に興味深いものがあります。それは軟式テニスは、ここ日本から広がりを見せたからです。テニスが日本に伝わったのは諸説ありますが、1878年(明治11年)といわれており、硬式テニスとして伝わりました。
しかし、当時の硬式ボールは高価で国産するにしても技術的に難しかったため、比較的安価だったゴムボールが普及しました。
その後、1898年(明治31年)に日本で最初の対抗戦され、1955年には日本・韓国・台湾の3か国で「アジア軟式庭球連盟」が設立されました。さらに3か国対抗によるアジア選手権も開催され、その後、世界ソフトテニス選手権へとつながっていきます。このように軟式テニス発祥の地は日本であるともいえます。
テニスの硬式と軟式の違い~まとめ
今回は、ボールやルール、コート、ネットなどテニスの硬式と軟式の違いについて見てきました。
テニスの硬式と軟式にはボールの色だけでなく、さまざまな違いがあることがわかりました。特にボールの特徴の違いがラケットやプレーに与える影響は、かなり大きそうです。この辺が、硬式テニスと軟式テニスが違うスポーツのように思える原因かもしれませんね。
とはいえテニスは長く楽しめるスポーツです。どちらを志すにしても、年齢を問わずいつまでも楽しみたいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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