野球は9回までやって決着がつかなかった場合は延長戦に入りますが、甲子園の高校野球では延々と続く長い延長戦が名勝負として語り継がれています。
この野球の延長戦の規定には過去にさまざまな紆余曲折があって現在のような形になっていますが、プロ野球と甲子園の高校野球ではかなりの違いがあります。
はたして現在、野球の延長戦は何回まであるのでしょうか?
今回は、野球の延長戦は何回まであるのか、プロ野球と甲子園の高校野球との違いなどについて見ていきます。
野球の延長戦は何回まであるの?~プロ野球の場合
野球の延長戦は何回まであるのかは、プロ野球と高校野球で大きく異なります。
まずプロ野球の延長戦は何回まであるのかを見ていこうと思いますが、日本のプロ野球の延長戦は12回までで時間は無制限となっています。(2022年時点)
これは日本シリーズとクライマックスシリーズも同様で、引き分けによる再試合はありません。
(ただし、日本シリーズは第8戦以降の延長戦は回数無制限)
ちなみにメジャーリーグでは、現在原則として回数・時間ともに無制限です。
ここ20年のプロ野球の延長戦はこのようなルールですが、2011・2012・2020・2021年は特殊な事情により延長戦のルールが特別なものになっています。
プロ野球の延長戦~2021年
2021年に入っても新型コロナウイルス感染拡大の影響は続き、営業時間短縮要請に対応し2021年シーズンはついに延長戦は行わないことが決まり9回で試合終了することになりました。
なお、これまでダブルヘッダーの第1試合などで9回終了となることはありましたが、プロ野球の全試合が延長戦なしで9回で打ち切りとなるのは日本プロ野球史上初めてのことです。
プロ野球の延長戦~2020年
2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響により開幕が6月19日と約3か月遅れることになりました。
この開幕の遅れに伴い、試合数を消化するために各チームは過密スケジュールを余儀なくされることになりましたが、その対策として延長戦は10回までという特別ルールが適用されることになりました。
新型コロナウイルス感染拡大の防止、過密スケジュールによる選手の体力に配慮した特別ルールです。
プロ野球の延長戦~2011・2012年
2011年3月11日には東日本大震災という未曾有の大災害が起きました。
このため日本全体で節電対策を迫られることになり、プロ野球においても試合時間が3時間30分を超えた場合、新しい延長回に入らないとする特別ルールが設けられました。
この特別ルールは2011年と翌2012年の2シーズンに適用され、前年2010年にはセ・パ両リーグ合わせて16試合だった引き分けが2011年は56試合、2012年には74試合に急増する結果になりました。
野球の延長戦は何回まであるの?~甲子園の高校野球の場合
プロ野球の延長戦は何回まであるのかはわかりました。
では、甲子園の高校野球の場合はどうでしょうか?
甲子園の高校野球には、過去に長い間、延長引き分け再試合という高校野球独自の規定がありました。
以前は甲子園の高校野球では延長戦の回数に制限はなかったのですが、1958年(昭和33年)の夏の甲子園大会に「延長戦は18回までとし同点引き分けの場合は後日再試合」という規定ができました。
その後もしばらくは延長戦は18回までという規定の時代が続きましたが、2000年(平成12年)の選抜甲子園大会からは、延長戦はさらに15回までに短縮変更されました。
そして、さらに2018年(平成12年)の選抜甲子園大会からは、タイブレーク方式の導入により再び延長戦の回数は無制限になります。(タイブレークは導入当初は延長13回から、2023年以降は延長10回から実施)
タイブレークはノーアウトでランナー1・2塁から開始というルールですから、延長戦の回数が無制限といってもそう長く続くことは考えづらいということです。
ただし決勝戦だけはタイブレーク方式は採用せず、延長15回で引き分けの場合は1回に限り従来通り再試合が行われます。
なお、再試合でもなお延長15回までに同点引き分けで決着がつかないた場合には、さらに「再再試合」が行われることになっています。
また、タイブレークは現時点でプロ野球では導入されておらず、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では延長11回から、U18(18歳以下)ワールドカップでは延長8回から、都市対抗野球では高校野球甲子園と同じ延長10回から実施となっています。(2022年時点)
甲子園の高校野球の延長戦ルールの歴史
1958年(昭和33年)の夏の甲子園大会~:
「延長戦は18回までとし同点引き分けの場合は後日再試合」
2000年(平成12年)の選抜甲子園大会~:
「延長戦は15回までとし同点引き分けの場合は後日再試合」
2018年(平成12年)の選抜甲子園大会~:
「延長13回からタイブレーク方式が導入され延長戦の回数は無制限」
(ただし決勝戦のみタイブレーク方式は採用せず、延長15回で引き分けの場合1回に限り再試合)
2023年(令和5年)の選抜甲子園大会~:
「延長10回からタイブレーク方式が導入され延長戦の回数は無制限」
(ただし決勝戦のみタイブレーク方式は採用せず、延長15回で引き分けの場合1回に限り再試合)
野球の延長戦は何回まであるの?~まとめ
今回は、野球の延長戦は何回まであるのか、プロ野球と甲子園の高校野球との違いなどについて見てきました。
野球の延長戦は何回まであるのか、プロ野球は現在、12回までで時間は無制限、甲子園の高校野球はタイブレーク方式の導入により延長戦の回数は決勝戦を除いて無制限となっています。
プロ野球と甲子園の高校野球との最も大きな違いは、タイブレーク方式が導入されているかどうかで、これによって甲子園の高校野球のほうが勝敗が決まりやすいといえます。
傾向としてはプロ野球は以前より時間的には長くなり、甲子園の高校野球は回数・時間ともに短くなっていますが、記憶に残るような伝説的な試合は生まれにくくなったともいえるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント