明治神宮野球大会は毎年11月に明治神宮野球場で開催される大学・高校の野球大会で、1970年から始まりました。
大学の部は全日本大学野球選手権大会とともに大学日本一を決める大会として、また高校の部は翌年春の選抜高校野球大会への出場がかかる大会として甲子園に次ぐ大きな大会といえます。
大学の部と高校の部で出場条件や出場チーム数は異なりますが、それぞれの代表校がトーナメント形式で優勝を争います。
また、歴代優勝校を見ると大学の部と高校の部では大きく傾向が異なることもわかりました。
今回は、明治神宮野球大会の出場条件と歴代優勝校を大学の部と高校の部に分けて見ていきたいと思います。
明治神宮野球大会の出場条件
明治神宮野球大会の出場条件は、大学の部、高校の部ともに他の全国大会と比較するとかなり厳しいといえます。
出場チーム数を見ると明らかで、大学の部は大学野球2大全国大会である6月の全日本大学野球選手権が27チームであるのに対して明治神宮野球大会の出場校は11チーム、高校の部は春の選抜高校野球大会が32チーム、夏の選手権大会が49チームに対して明治神宮野球大会の出場校は10チームですから相当に狭き門といえます。
出場条件が厳しいだけに、よりハイレベルな試合が期待されますが、大学の部と高校の部に分けて出場条件を見ていきましょう。
※出場条件は2021年時点のものです。
明治神宮野球大会の出場条件~大学の部
明治神宮野球大会の大学の部の出場条件は、全国9ブロックを勝ち抜いた11チームです。
出場チーム数は何度も変更されており、1970年の第1回大会16チームで始まり(実際は15校)、1972年の第3回大会は14チーム、1973年の第4回大会では8チーム、1975年の第6回大会は10チーム、1977年の第8回大会は8チーム、さらに1980年の第11回大会は10チーム、そして2009年の第40回大会から現在の11チームになりましたた。
明治神宮野球大会の大学の部の出場校は、以下の9ブロックから11チームが出場します。
全国9ブロックと代表チーム数
北海道2連盟(北海道学生、札幌学生)代表1校
東北3連盟(北東北大学、南東北大学、仙台六大学)代表1校
関東5連盟(関甲新学生、千葉県大学、東京新大学、神奈川大学、首都大学)代表2校
東京六大学野球連盟(東京六大学)代表1校
東都大学野球連盟(東都大学)代表1校
北陸・東海3連盟(北陸大学、東海地区大学、愛知大学)代表1校
関西5連盟(関西学生、関西六大学、京滋大学、近畿学生、阪神大学)代表2校
中国・四国3連盟(広島六大学、中国地区大学、四国地区大学)代表1校
九州3連盟(九州六大学、福岡六大学、九州地区大学)代表1校
明治神宮野球大会の出場条件~高校の部
明治神宮野球大会の高校の部の出場条件は、全国の秋季地区大会での優勝で10チームです。
出場チーム数の変遷を見ると、高校の部として初めての開催となった1970年の第1回大会では10チーム、1982年の第13回大会で8チームに縮小され、1999年の第30回大会で再び10チームに戻っています。
「神宮大会枠」として翌年春の選抜高校野球大会への出場への選考基準になることから、高校球児にとっては明治神宮野球大会は非常に重要な大会といえます。
全国の秋季地区大会は、以下の10地区になります。
全国の秋季地区大会10地区
北海道地区(北海道)
東北地区(青森県、岩手県、秋田県、山形県、宮城県、福島県)
関東地区(茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、埼玉県、千葉県、神奈川県)
東京地区(東京都)
北信越地区(新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県)
東海地区(静岡県、愛知県、岐阜県、三重県)
近畿地区(京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県、大阪府、兵庫県)
中国地区(岡山県、広島県、鳥取県、島根県、山口県)
四国地区(香川県、徳島県、愛媛県、高知県)
九州地区(福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)
明治神宮野球大会の歴代優勝校
明治神宮野球大会の出場条件の次は歴代優勝校を見ていきましょう。
歴代優勝校の傾向は大学の部と高校の部では対照的で、大学の部は一部の連盟に偏っている傾向があり連覇も何度かありますが、高校の部では毎年のように優勝校が変わり連覇は大阪桐蔭の2連覇があるのみです。(2023年大会終了時点)
明治神宮野球大会の歴代優勝校~大学の部
明治神宮野球大会高校の部の歴代優勝校の最多優勝回数は、明治大の7回です。
以下、駒澤大と亜細亜大、慶応義塾大の5回と続きます。
連盟別では東都大学連盟と東京六大学連盟の2連盟が他の連盟を圧倒しており、東都大学連盟16回と東京六大学連盟16回と合わせて32回の優勝があります。
連覇記録としては、法政大(1976・1977年)と東海大(1982・1983年)、明治大(1995・1996年)、東亜大(2003・2004年)、東洋大(2007・2008年)の5回の2連覇があります。
明治神宮野球大会の大学の部の歴代優勝校は、以下の通りです。
明治神宮野球大会の歴代優勝校~大学の部
2023年(第54回)慶應義塾大(東京六大学)
2022年(第53回)明治大(東京六大学)
2021年(第52回)中央学院大(千葉県大学)
2020年(第51回)新型コロナウイルス感染拡大のため中止
2019年(第50回)慶応義塾大(東京六大学)
2018年(第49回)立正大(東都大学)
2017年(第48回)日本体育大(首都大学)
2016年(第47回)明治大(東京六大学)
2015年(第46回)亜細亜大(東都大学)
2014年(第45回)駒澤大(東都大学)
2013年(第44回)亜細亜大(東都大学)
2012年(第43回)桐蔭横浜大(神奈川大学)
2011年(第42回)明治大(東京六大学)
2010年(第41回)早稲田大(東京六大学)
2009年(第40回)立正大(東都大学)
2008年(第39回)東洋大(東都大学)
2007年(第38回)東洋大(東都大学)
2006年(第37回)亜細亜大(東都大学)
2005年(第36回)九州産業大(福岡六大学)
2004年(第35回)東亜大(中国地区大学)
2003年(第34回)東亜大(中国地区大学)
2002年(第33回)亜細亜大(東都大学)
2001年(第32回)駒澤大(東都大学)
2000年(第31回)慶応義塾大(東京六大学)
1999年(第30回)九州共立大(福岡六大学)
1998年(第29回)亜細亜大(東都大学)
1997年(第28回)近畿大(関西地区・関西学生)
1996年(第27回)明治大(東京六大学)
1995年(第26回)明治大(東京六大学)
1994年(第25回)東亜大(中国地区大学)
1993年(第24回)駒澤大(東都大学)
1992年(第23回)慶応義塾大(東京六大学)
1991年(第22回)愛知学院大(愛知大学)
1990年(第21回)同志社大(関西地区・関西学生)
1989年(第20回)近畿大(関西地区・関西学生)
1988年(第19回)昭和天皇御不例のため中止
1987年(第18回)筑波大(首都大学)
1986年(第17回)愛知工業大(愛知大学)
1985年(第16回)慶応義塾大(東京六大学)
1984年(第15回)駒澤大(東都大学)
1983年(第14回)東海大(首都大学)
1982年(第13回)東海大(首都大学)
1981年(第12回)法政大(東京六大学)
1980年(第11回)日本体育大(首都大学)
1979年(第10回)明治大(東京六大学)
1978年(第9回)同志社大(関西大学連合)
1977年(第8回)法政大(東京六大学)
1976年(第7回)法政大(東京六大学)
1975年(第6回)明治大(東京六大学)
1974年(第5回)中央大(東都大学)
1973年(第4回)駒澤大(東都大学)
1972年(第3回)関西大(関西大学連合)
1971年(第2回)日本大(東都大学)
1970年(第1回)東海大(首都大学)
明治神宮野球大会の歴代優勝校~高校の部
続いて、明治神宮野球大会高校の部の歴代優勝校ですが、最多優勝回数は東北高校(宮城県)の4回です。
以下、星稜(石川県)の3回、仙台育英(宮城県)、帝京(東京都)、明徳義塾(高知県)、大阪桐蔭(大阪府)の2回と続きます。
都道府県別の優勝回数では東京都の10回が最多で、2位が宮城県の6回(東北4・仙台育英2)、3位が大阪府の4回(大阪桐蔭2・履正社1・上宮1)、高知県(明徳義塾2・高知1)と石川県(星陵3)の3回と続きます。
お膝元の東京都が強いのはわかるとして、甲子園で優勝経験のない宮城県の健闘が光ります。
連覇記録としては、大阪桐蔭(大阪府)の2連覇があります。
明治神宮野球大会の高校の部の歴代優勝校は、以下の通りです。
明治神宮野球大会の歴代優勝校~高校の部
2023年(第54回)星稜(北信越地区)
2022年(第53回)大阪桐蔭(近畿地区)
2021年(第52回)大阪桐蔭(近畿地区)
2020年(第51回)新型コロナウイルス感染拡大のため中止
2019年(第50回)中京大中京(東海地区)
2018年(第49回)札幌大谷(北海道地区)
2017年(第48回)明徳義塾(四国地区)
2016年(第47回)履正社(近畿地区)
2015年(第46回)高松商(四国地区)
2014年(第45回)仙台育英(東北地区)
2013年(第44回)沖縄尚学(九州地区)
2012年(第43回)仙台育英(東北地区)
2011年(第42回)光星学院(東北地区)
2010年(第41回)日大三(東京地区)
2009年(第40回)大垣日大(東海地区)
2008年(第39回)慶応義塾(関東地区)
2007年(第38回)常葉菊川(東海地区)
2006年(第37回)高知(四国地区)
2005年(第36回)駒大苫小牧(北海道地区)
2004年(第35回)柳ヶ浦(九州地区)
2003年(第34回)愛工大名電(東海地区)
2002年(第33回)中京(東海地区)
2001年(第32回)報徳学園(近畿地区)
2000年(第31回)東福岡(九州地区)
1999年(第30回)四日市工(東海地区)
1998年(第29回)日南学園(九州地区)
1997年(第28回)横浜(関東地区)
1996年(第27回)上宮(近畿地区)
1995年(第26回)帝京(東京地区)
1994年(第25回)創価(東京地区)
1993年(第24回)東北(東北地区)
1992年(第23回)世田谷学園(東京地区)
1991年(第22回)星陵(北信越地区)
1990年(第21回)国士舘(東京地区)
1989年(第20回)東北(東北地区)
1988年(第19回)昭和天皇御不例のため中止
1987年(第18回)堀越(東京地区)
1986年(第17回)帝京(東京地区)
1985年(第16回)松商学園(北信越地区)
1984年(第15回)国学院久我山(東京地区)
1983年(第14回)岩倉(東京地区)
1982年(第13回)東北(東北地区)
1981年(第12回)明徳(四国地区)
1980年(第11回)星陵(北信越地区)
1979年(第10回)東海大三(北信越地区)
1978年(第9回)柳川商(九州地区)
1977年(第8回)東北(東北地区)
1976年(第7回)早稲田実(東京地区)
1975年(第6回)徳島商(四国地区)
1974年(第5回)福井商(北信越地区)
1973年(第4回)若狭(北信越地区)
1972年(第3回)-
1971年(第2回)-
1970年(第1回)-
※高校の部は第4回大会から開催
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明治神宮野球大会の出場条件と歴代優勝校~まとめ
今回は、明治神宮野球大会の出場条件と歴代優勝校を大学の部と高校の部に分けて見てきました。
明治神宮野球大会の出場条件は、大学の部が全国9ブロックを勝ち抜いた11チーム、高校の部は全国の秋季地区大会で優勝した10チームです。
歴代優勝校は、最多優勝回数は大学の部が明治大の7回、高校の部が東北高校(宮城県)の4回で、大学の部では東都大学連盟と東京六大学連盟の2連盟が合わせて32回の優勝と他の連盟を圧倒しており、高校の部では都道府県別の優勝回数では東京都の10回が最多です。
大学の部は一部の連盟に偏っている傾向があり連覇も何度かありますが、高校の部では毎年のように優勝校が変わり連覇はまだありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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