野球のプレーの中でもアウトになるリスクが高く、スリリングなのが盗塁です。
しかし、せっかくリスクを冒して盗塁に成功したとしても必ずしも盗塁として記録されるわけではありません。
驚きのルールともいえますが、野球では盗塁が盗塁として記録されないケースがあるのです。
今回は、野球で盗塁が記録されないのはどんな時なのか、またファールチップや暴投の場合はどうなるのかなどについて見ていきます。
野球で盗塁が記録されない時
野球で盗塁が記録されないケースは野球のルールを少しでも知っている方なら、だいたいご存知かと思います。
まず、通常の盗塁が記録されないケースから見ていきましょう。
野球で盗塁が記録されない時は、わかりやすい例では以下のようなケースがあります。
①投球を打者が打った時
②守備側のエラーなどの場合
③投手のボークがあった場合
④他の走者がアウトになった時(ダブルスチールなど)
などの場合は、盗塁は記録されずに進塁となります。
これらは、割とよくあるケースなので馴染みがあると思いますが、これら以外のケースに関しては頻発することではないので盲点になっているかもしれません。
実際に筆者もいつの間に、こんな規定ができていたのかと思いました。
適用については賛否両論あったようですが、アメリカメジャーリーグに追随する形となっています。
野球で盗塁が記録されない時①~守備側無関心
盗塁に対して守備側がまったく関心を示さなかった場合、つまり守備側が盗塁を防ごうとしなかった時です。
具体的には、投手が走者をまったく警戒しない、捕手も投げようとしない、だれもベースカバーに付かない、などといったケースです。
日本のプロ野球(NPB)は、以前は守備側が無関心であっても盗塁を記録していましたが、2008年から適用されています。
公式記録員が「守備側の無関心」と判断した場合には、盗塁は記録されずに野手選択(野選・フィルダースチョイス)による進塁として記録されます。
ただし、盗塁王のタイトルがかかっている場合など、守備側チームが盗塁の記録をさせないために故意に無関心を装ったと判断される場合には適用されません。
野球で盗塁が記録されない時②~大量リードの点差
野球では、大きく点差が開いてしまった大量リードの点差の試合で盗塁が記録されない時があります。
つまり、ほとんど勝敗が決しているような試合では勝敗に影響を及ぼさない盗塁は記録されないというわけです。
大量リードとはいっても何点差から盗塁が記録されないかは決まっているわけではなく、公式記録員の判断によります。
野球の盗塁~ファールチップの場合
では、野球の盗塁でファールチップの場合はどうでしょうか?
まず、ファールチップとは打者が打ったボールが直接捕手に飛んで捕球された場合をいいます。
チップした打球を捕手が落とした場合はファールボールとなりますから、盗塁を試みたとしても走者は元の塁に戻ることになります。
問題はチップした打球を捕手がキャッチした場合です。
ファールチップは走者がいるいないに関わらず、すべて空振りとして扱われます。
なので、ファールチップの場合は盗塁として記録されることになります。
ほんの少しバットにかすっただけのような打球は走者から空振りかファールチップかの判断がつかない場合も多いため合理的なルールといえます。
ただし、フライの場合はファールチップとは明確に区別され、盗塁を試みた走者は元の塁に戻る必要があります。
野球の盗塁~暴投の場合
最後に、投手の暴投(ワイルドピッチ)や捕逸(パスボール)の場合は、盗塁は記録されるのでしょうか?
この場合、走者が投球が打者に達するより早くスタートしていれば盗塁として記録され、暴投や捕逸は記録されません。
しかし、暴投(ワイルドピッチ)や捕逸(パスボール)を確認してからスタートしている場合は進塁と記録されません。
例えば、走者1塁と3塁にいて1塁走者のみが盗塁を試み、暴投(ワイルドピッチ)か捕逸(パスボール)があり3塁走者はこれを確認してからホームインしたとします。
この場合は1塁走者の盗塁は記録されますが、3塁走者は暴投、あるいは捕逸による進塁と記録されます。
少しややこしいかもしれませんが、簡単に言うと投球時にスタートを切っていれば盗塁、それ以外は進塁と区別することができるかと思います。
野球で盗塁が記録されないのはどんな時?~まとめ
今回は、野球で盗塁が記録されないのはどんな時なのか、またファールチップや暴投の場合はどうなるのかなどについて見てきました。
野球で盗塁が記録されない時には、打者が打つ・エラー・ボーク・他の走者がアウトになった時などの一般的なケースに加えて、「守備側の無関心」や「大量リードの点差」があります。
ファールチップは空振りと同じ扱いで盗塁として、暴投の場合も盗塁として記録されます。
投球時にスタートを切ってたかどうかが盗塁か進塁かの分かれ道になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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