この記事では、バレーボールのサーブ権がなぜ廃止されたと言われるのか、昔のサイドアウト制から現在のラリーポイント制へ変更された理由と時期をわかりやすく解説します。
結論からいうと、廃止されたのはサーブを打つ権利そのものではなく、サーブ権を持つチームだけが得点できる仕組みです。現在もサーブ権という考え方は残っています。
その理由は、得点方法を分かりやすくするとともに、試合を速く、より刺激的にする狙いがあったためです。昔と現在の違いを知ると、バレーボールのルールがより理解しやすくなります。
今回は、バレーボールのサーブ権はなぜ廃止されたのか、ラリーポイント制に変わった理由などについて見ていきます。
バレーボールのサーブ権が廃止されたのはなぜか

バレーボールでは以前、サーブ権を持っているチームだけが得点できる「サイドアウト制」が使われていました。しかし現在は、サーブ権に関係なくラリーに勝ったチームが得点する「ラリーポイント制」です。
FIVBは1998年10月の世界総会でラリーポイント制を承認しており、その狙いとして得点方式を分かりやすくし、試合を速く、より刺激的にすることを挙げています。
この変更のポイントは、次の3つです。
- 理由①:すべてのラリーで得点が入る分かりやすいルールにするため
- 理由②:試合時間を短く予測しやすくするため
- 理由③:試合をよりスピーディーで刺激的にするため
理由①:すべてのラリーで得点が入る分かりやすいルールにするため
昔のサイドアウト制では、レシーブ側がラリーに勝っても得点は入りませんでした。得られるのはサーブ権だけで、その次のラリーに勝って初めて得点できる仕組みです。
そのため、いいスパイクやブロックが決まっても、サーブ権がなければスコアが変わらないことがありました。
ラリーポイント制では、どちらがサーブを打っているかに関係なく、ラリーを取ったチームに必ず1点入ります。
FIVBも現在の基本ルールで、ラリーに勝ったチームが得点し、レシーブ側が勝った場合は得点とサーブ権の両方を得ると説明しています。
理由②:試合時間を短く予測しやすくするため
サイドアウト制では、サーブ権だけが両チームを行き来し、得点がなかなか増えない展開が起こり得ました。
例えば10対10の場面でも、レシーブ側がラリーを取ればサーブ権が移るだけです。その後、反対側がラリーを取れば再びサーブ権だけが移り、スコアは10対10のままという状況が続くこともありました。
一方、ラリーポイント制では1回のラリーが終わるたびに必ずどちらかへ1点加算されます。得点が確実に進むため、旧方式より試合進行を把握しやすくなります。
理由③:試合をよりスピーディーで刺激的にするため
ラリーポイント制では、サービスミスやスパイクミスなども、そのラリーを失えば相手の1点につながります。
つまり、「サーブ権がないから失点にはならない」という場面はありません。1回のラリーがそのままスコアへ反映されるため、終盤になるほど1本のプレーが重要になります。
FIVBはラリーポイント制について、得点方式を理解しやすくし、試合をより速く、より刺激的にする目的で導入したと説明しています。制度変更の背景についてはFIVB公式サイトの「The Game」でも確認できます。
バレーボールのサーブ権廃止前のサイドアウト制と現在のルールの違い

「昔のバレーと今のバレーでは何が違うの?」という疑問は、得点が入る条件を見ると理解しやすくなります。最も大きな違いは、レシーブ側がラリーに勝ったときに得点が入るかどうかです。
| 比較項目 | 昔のサイドアウト制 | 現在のラリーポイント制 |
|---|---|---|
| サーブ側がラリーに勝つ | 1点+サーブ継続 | 1点+サーブ継続 |
| レシーブ側がラリーに勝つ | サーブ権のみ獲得 | 1点+サーブ権獲得 |
| ラリーごとの得点 | 入らない場合がある | 必ずどちらかに1点 |
| 基本的なセットの得点 | 15点制が中心 | 25点制 |
| サーブ権 | あり | 現在もあり |
ここで重要なのは、「サーブ権が完全に廃止された」という理解は正確ではないことです。
昔はサーブ権を持つチームしか得点できなかった
昔のサイドアウト制では、サーブを打っている側がラリーに勝った場合だけ得点できました。
レシーブ側がラリーに勝った場合は得点できず、「サイドアウト」となってサーブ権を取り戻します。その後、自分たちがサーブを持った状態でラリーに勝って初めて1点が入りました。
FIVBも旧方式について、以前はサーブを打つ側だけがポイントを獲得でき、相手からサーブを取り戻すことをサイドアウトと呼んでいたと説明しています。
現在はラリーに勝ったチームに必ず1点入る
現在のラリーポイント制では、サーブ権を持っているかどうかは得点条件に関係ありません。
サーブ側がラリーを取れば1点を獲得して、そのまま同じチームがサーブします。レシーブ側が取った場合も1点が入り、さらに次のサーブを打つ権利を獲得します。
日本バレーボール協会の初心者向けルールでも、サーブ権を持たないチームがラリーを制した場合は「1得点とサーブ権」を獲得すると説明されています。
サーブを打つ権利そのものは現在も残っている
「サーブ権廃止」という言葉から、現在のバレーボールにはサーブ権が存在しないと思うかもしれません。しかし、日本バレーボール協会のルール解説でも現在「サーブ権」という言葉が使われています。
試合開始前のトスでは、勝ったチームがサーブ権またはコートを選択します。また、レシーブ側がラリーを取れば、得点に加えてサーブ権を獲得します。
そのため、正確には「サーブ権が廃止された」のではなく、「サーブ権があるときだけ得点できる制度が廃止された」と理解するとよいでしょう。
バレーボールのサーブ権に関するルールはいつから変わった?

現在につながる大きなルール変更が行われたのは1990年代末です。国際バレーボール連盟と日本バレーボール協会の公式情報を確認すると、FIVBでは1998年、日本では1999年が重要な時期となっています。
FIVBが1998年にラリーポイント制を承認
FIVBによると、1998年に新しい得点システムのテストが行われ、1998年10月のFIVB世界総会でラリーポイント制が承認されました。これによって、すべてのラリーで得点が入る方式へ変更されました。
同時に、第1~第4セットは25点、第5セットは15点を基本とし、セットを取るには2点差が必要という現在につながる仕組みが採用されています。
日本では1999年のルール改正で採用
日本バレーボール協会の沿革には、1999年の出来事として「ルール改正でサーブ権が無くとも得点の入る『ラリーポイント制』が採用」と記載されています。
そのため日本で「サーブ権が廃止されたのはいつ?」と聞かれた場合は、一般的には1999年のラリーポイント制採用が大きな転換点と考えれば分かりやすいでしょう。
なお、FIVBでの決定時期は1998年、日本バレーボール協会の沿革では国内のルール改正が1999年とされているため、この2つを区別して覚えるのがおすすめです。
ラリーポイント制になってバレーボールはどう変わった?
得点方式の変更は、単に点数の付け方だけを変えたものではありません。すべてのラリーが1点につながることで、ミスの意味や観戦時の分かりやすさ、セットの得点方式も大きく変わりました。
- 1回のミスがそのまま相手の得点になった
- 観戦する人にもスコアが分かりやすくなった
- 25点制を基本とする現在の得点方式になった
1回のミスがそのまま相手の得点になった
ラリーポイント制では、サーブミスをすれば相手に1点入ります。同じように、スパイクのアウトやネットタッチなどでラリーを失った場合も相手の得点です。
昔のサイドアウト制なら、サーブを持っていない側のミスとサーブを持っている側のミスではスコアへの影響が異なる場面がありました。
現在はどのラリーでも必ず得点につながるため、1プレーの結果がそのままスコアに反映されます。
観戦する人にもスコアが分かりやすくなった
ラリーポイント制では、「ラリーに勝った側に1点」と覚えれば基本的な得点方法を理解できます。
昔のように、「今はどちらがサーブ権を持っているのか」「このラリーに勝っても点が入るのか」と考える必要がありません。
FIVBが制度変更の目的の一つとして得点方式を分かりやすくすることを挙げているのも、このルールの大きな特徴です。
25点制を基本とする現在の得点方式になった
現在の一般的な6人制バレーボールでは、5セットマッチの場合、第1~第4セットは25点、第5セットは15点を基本とします。
ただし、規定の点数に到達しただけでは必ずしもセット終了にはならず、2点以上の差をつける必要があります。
例えば、第1セットが24対24になれば、26対24など2点差がつくまで続きます。現在のラリーポイント制については、FIVBのBasic Rulesでも詳しく確認できます。
バレーボールのサーブ権廃止でよくある質問【Q&A】
バレーボールのサーブ権とラリーポイント制について、特に間違えやすいポイントをQ&A形式で整理します。
Q1. バレーボールでサーブ権そのものは廃止されたのですか?
A1. いいえ。サーブを打つ権利そのものは現在も存在します。廃止されたのは、サーブ権を持っているチームだけが得点できるサイドアウト制です。現在は、レシーブ側がラリーに勝ると1点とサーブ権を獲得します。
Q2. バレーボールのサーブ権が廃止されたのはいつですか?
A2. FIVBは1998年10月の世界総会でラリーポイント制を承認しました。日本バレーボール協会の沿革では、1999年のルール改正でラリーポイント制が採用されたとされています。
Q3. なぜ昔のバレーボールは点が入りにくかったのですか?
A3. サイドアウト制では、サーブ権を持たないチームがラリーに勝っても得点にならず、サーブ権が移るだけだったためです。両チームの間でサーブ権だけが移動し、スコアが動かないことがありました。
Q4. ラリーポイント制とは何ですか?
A4. サーブ権の有無に関係なく、ラリーに勝ったチームが1点を獲得する得点方式です。レシーブ側が勝った場合は1点とサーブ権の両方を獲得します。
Q5. 現在も「サーブ権」という言葉は使いますか?
A5. 使います。日本バレーボール協会も現在の基本ルールで「サーブ権」という表現を使用しています。試合開始時のトスや、レシーブ側がラリーに勝って次のサーブを得る場面などで関係します。
Q6. 今のバレーボールは何点取れば1セット勝ちですか?
A6. 一般的な5セットマッチでは、第1~第4セットが25点、第5セットが15点を基本とします。ただし2点差が必要なので、24対24や14対14になった場合は2点差がつくまで続きます。
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バレーボールのサーブ権が廃止されたのはなぜ?~まとめ
今回は、バレーボールのサーブ権はなぜ廃止されたのか、ラリーポイント制に変わった理由などについて見てきました。
バレーボールで「サーブ権が廃止された」と言われるのは、サーブ権を持つチームだけが得点できたサイドアウト制が廃止され、すべてのラリーで得点するラリーポイント制へ変わったためです。サーブを打つ権利自体は現在も残っています。
FIVBでは1998年にラリーポイント制が承認され、日本バレーボール協会の沿革では1999年のルール改正として採用されています。変更には、得点方式を分かりやすくし、試合をより速く、刺激的にする狙いがありました。
現在は、サーブ側でもレシーブ側でも、ラリーを取れば1点です。「サーブ権そのものの廃止」ではなく、「サーブ権がなければ得点できない制度の廃止」と覚えておくと、昔と現在のルールの違いを正確に理解できます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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