野球を見ていると、ピッチャーがマウンド上に置かれた白い粉の入った袋をしきりにいじっています。
あれほどしょっちゅういじっているのですからピッチャーにとっては相当大事なものなのかとは思いますが、あの白い粉の入った袋はいったい何なのでしょうか?
また、白い粉は何のために使うのか、使う目的と成分も気になります。
今回は、野球のピッチャーが使う白い粉は何で、どういう目的で使って成分は何なのか、について見ていきたいと思います。
野球のピッチャーが使う白い粉は何?
野球のピッチャーが使う白い粉は、「ロジンバック」、または「ロージンバッグ」といいます。
辞書やテレビ中継など一般的には「ロージンバッグ」と言うことが多いように思いますが、日本の公認野球規則には「ロジンバッグ」と記載されています。
その名の通り、ロジンは「松脂(まつやに)」、バッグは「袋」と言う意味で、ロジンバッグは日本語で”松脂を入れた袋”という意味になります。
日本でこの白い粉(ロジンバッグ)がいつから使用され始めたのかは定かではありませんが、1965年頃(昭和40年)から輸入され、使われ始めたと思われます。
それ以前は、ロジンバッグの袋状のものではなく、ただ単に炭酸マグネシウムのような無機質の白い粉を使っていました。
アメリカではもっと昔で、メジャーリーグでは1926年から使用が認められ1945年頃には使われ始めました。
ロジンバッグはスポーツ店などで購入できます。
野球のピッチャーが白い粉を使う目的
野球のピッチャーが使う白い粉が「ロジンバック」と呼ばれるものであることはわかりました。
では、目的としては何のために使用しているんでしょうか。
なんとなく察している方もいらっしゃると思いますが、野球のピッチャーが使う白い粉は手先の滑り止めを目的として使用しています。
しかし、滑り止めを目的としてはいますが、この白い粉(ロジンバッグ)の使用に当たっては不正防止のため細かくルールが定められています。
まず、白い粉を付けることが許されるのは素手のみで、ボールに直接付けるのはもちろん、手以外の体やユニフォームやグラブに付けることも許されていません。
また、置き場所はプレート(投手板)の後方と定められています。
さらに、アンダースローのピッチャーがボールをリリースする(投げる)点とロジンバッグがバッターから見て重ならないような配慮も求められています。
(ロジンバッグとボールが同じ白色であるため)
また、ドーム球場以外では雨の時にはピッチャーがお尻のポケットにしょっちゅう手を入れている光景を見ますが、あれは別にお尻がかゆいわけではありません。
雨によってロジンバッグの品質が変わってしまうので、ロジンバッグをポケットに入れて使用しているのです。
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野球のピッチャーが使う白い粉の成分
最後になりますが、野球のピッチャーが使う白い粉の成分を見ていきましょう。
ロジンバッグのロジンは松脂(まつやに)であることは上述しましたが、松脂を袋に入れただけでは粘着性が強すぎて皮膚を傷つけてしまうため、そのままではとても使うことはできません。
白い粉(ロジンバッグ)の成分は大まかに、炭酸マグネシウム80%、松脂15%、石油樹脂5%ほどですが、粘着性を押さえて汗などの水分を吸収できるように松脂よりも炭酸マグネシウムなどの無機質の割合が多く配合されています。
体操や重量挙げなどでも同じように白い粉を滑り止めを目的として競技前に手に付けていますが、中身は同じです。
ただし、体操や重量挙げだけではなく、その競技によって成分の配合の割合が異なります。
このように滑り止め用の白い粉は野球のピッチャーだけでなく、あらゆるスポーツで使用されています。
野球のピッチャーが使う白い粉~まとめ
今回は、野球のピッチャーが使う白い粉は何で、どういう目的で使って成分は何なのか、について見てきました。
野球のピッチャーが使う白い粉は「ロジンバック」、または「ロージンバッグ」といい、手先の滑り止めを目的として使用しています。
ロジンは「松脂(まつやに)」、バッグは「袋」と言う意味で、ロジンバッグは日本語で”松脂を入れた袋”という意味になります。
成分は大まかに、炭酸マグネシウム80%、松脂15%、石油樹脂5%ほどで、体操や重量挙げなどあらゆるスポーツで使用されています。
野球のピッチャーが使う時は白い粉は袋に入っているので野球独特のものかと思いましたが、実はスポーツではかなり一般的に使われていました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
[…] すよ、ロージンバックというのがあるから。(スタジオ笑い) […]